ソフトバンクが提供するネットWi-Fi「SoftBank Air(ソフトバンクエアー)」は、おすすめできる人とできない人がはっきり分かれるサービスです。
SoftBank Airは電波を使ったWi-Fiサービスなので、同じソフトバンクの固定回線(光回線)であるSoftBank光とは特徴やメリット・デメリットが全く違います。なんとなく同じようなサービスだと思ってテキトーに契約しないよう注意しましょう。
私は現在ちょうどSoftBank Airを実際に利用しているので、SoftBank Airのメリット・デメリットを利用者目線で分かりやすく解説していきます。
SoftBank Air(ソフトバンクエアー)のメリットは「開通工事が不要」なこと!
SoftBank Airのメリットは、
開通工事しないで使えるようになるネットWi-Fi
という1点に尽きます。
逆に言うと、”工事不要”以外のメリットはないと言ってもいいです。
ただ、この「工事不要で導入できる」というのは人によってはめちゃくちゃ大きいメリットになります。
通常、自宅ネット回線として一般的な光回線(ソフトバンクならSoftBank光)だと、ネットを繋げるのに(家の中まで回線を引っ張ってくるのに)必ず開通工事が必要になります。業者を家に呼んで工事してもらう手間もかかりますし、基本的に工事費用も万単位でかかります。
これがSoftBank Airになると、契約後に郵送されてくる「Airターミナル」というWi-Fiルーターをコンセントに繋いで電源ONするだけで、即ネットが使えるようになるのです。
これがうちのAirターミナル。ティッシュ箱くらいの大きさのルーターです。ご覧の通り、コンセントに挿すだけで屋内にWi-Fiを飛ばすことができます。
このように、開通工事をしないでコンセントさえあれば即座にネットに繋げるという特徴は、例えば以下のような人たちに多大なメリットがあります。
こんな人におすすめ
- 自宅マンション・アパートで光回線が引けない・開通工事ができない人
- 引越しや転勤が多く、引っ越すたびにネット回線を契約して工事するのが面倒な人(SoftBank Airは引越し先でも同じものを使える)
それぞれもう少し詳しく説明します。
自宅マンションやアパートで光回線が引けない人はSoftBank Airが第一候補
SoftBank Air(ソフトバンクエアー)の需要が一番ある人たちは、自宅で光回線が引けない人です。
賃貸のマンションやアパートに住んでいる場合、ネット回線は基本的に大家さんの意向に従う必要があります。好きなネット回線を契約していい場合もあれば、建物全体ですでに契約している回線しか使えないという場合もあれば、光回線の工事を禁止している物件もあります。
開通工事を禁止している物件であれば光回線は引けないので、必然的にSoftBank Airのような工事不要で使えるネットWi-Fiを使う以外に方法がありません。
詳しくは下記記事で書いていますが、工事不要で使えるネット回線としてはSoftBank Airか、auグループが提供しているWiMAX(UQ WiMAX)が候補になります。
ただWiMAXの方は3日で10GB以上使うと厳しい速度制限がかかるので、自宅のネット回線として使うならSoftBank Airの方がおすすめです。
転勤などで引越しが多い人は、持ち運んで使えるSoftBank Airが便利
転勤などで引越しが多いと、その都度ネット回線を契約するのは非常に面倒ですよね。せっかく工事してもまたすぐ引っ越すし……となるとしんどいです。
その点、SoftBank AirならAirターミナルを持ち運べば引越し先でもそのまま使うことができるので超便利です。引っ越すたびの新しい契約も必要ないし、ゴタゴタ工事する必要もなし。新居に持ち運んでコンセントに挿すだけでOK、簡単です。
ただし注意点として、SoftBank Airを契約住所とは別の場所で使う場合、住所変更手続きが必要になります。
変更手続きといっても、ネットからすぐできるので簡単です。ひとまず、勝手に契約した場所以外に持ち運んで使うのは禁止されています。もし勝手に別の場所で使っているのがバレると強制解約されるケースもあるので気をつけてください。
住所変更手続きのやり方については以下の記事で詳しく説明しています。もし必要な人は参考にしてください。
”工事しないでネットが使えるようになる”
という1点につきます。
これは回線工事ができない人や引越しが大きい人には大きなメリットがあります。しかし逆に言うと、この唯一最大のメリットを享受できない人にはおすすめできないとも言えます。
次でデメリットの面についても解説していきます。
SoftBank Air(ソフトバンクエアー)のデメリットはひとえに「通信速度」にあり!
SoftBank Airのデメリットも至ってシンプルです。それはひとえに
光回線に比べると通信速度が遅いこと
です。
SoftBank Airは工事しないので、光回線のように家の中まで回線を引いてくるわけではありません。スマホと同じように、外を飛んでいるモバイル回線の電波をキャッチして家の中に広げるという仕組みです。そのため、通信速度や通信の安定度は、しっかり工事して回線を引いてくる光回線に比べると劣ります。
つまり、光回線に比べると、SoftBank Airは設置面でも通信面でも「ライト」なネット回線というイメージです。
またもう一点重要なこととして、SoftBank Airはスマホと同じモバイル回線のサービスであるため、利用するエリア(地域)によって速度が変化する性質があります。スマホでも場所によって電波が届かなかったり弱まったりすることがありますよね? それと同じです。
これら「SoftBank Airの速度事情」について、下記でもう少し詳しく説明します。
ソフトバンクエアーの通信速度を実際にテストしてみる
SoftBank Airの通信速度は遅いと言っても、それはあくまで「光回線に比べたら」の話。別に普通に買い物したりドライブを楽しむのにF1カー並みの速度が出る必要はありません。
では、実際にSoftBank Airはどのくらい通信速度が出るのか?
私が使っているAirターミナル3で通信速度を測ってみるとこんな感じです↓
<朝8時>
<昼12時>
<夕方17時>
<夜20時>
- 【朝8時】下り83.6Mbps/上り6.02Mbps/Ping31ms
- 【昼12時】下り45.8Mbps/上り6.89Mbps/Ping28ms
- 【夕方17時】下り98.1Mbps/上り7.38Mbps/Ping29ms
- 【夜20時】下り9.52Mbps/上り7.43Mbps/Ping33ms
速度テストの数値は日によって結構幅が出るのですが、平均すると大体は
- 朝〜夕方:下り30〜80Mbps
- 夜(21時以降):下り8〜15Mbps
くらいの範囲に収まるケースがほとんどです。夜間に速度がガクッと落ちていますが、これが後述する速度制限の影響です。
動画視聴やオンラインゲームも基本的には普通にできる
上記の通り、確かに下り100Mbps以上でる光回線(SoftBank光)に比べるとSoftBank Airの通信速度は遅いです。しかし実際にSoftBank Airを利用している私の体感的に、このくらい通信速度が出せればネットをしていて困ることはそうありません。
ネットサーフィンはもちろん、YouTubeで動画を見たり、AmazonプライムビデオやHulu(フールー)
PS4やニンテンドースイッチなどオンラインゲームについても、基本的には普通にできています。
人気のスプラトゥーンやモンハン、ジャンルはFPSから格ゲー、機種はPS4からニンテンドースイッチまであらゆるゲームを実際にプレイしてみた結果、まとめると以下のような感じですね。
ポイント
- ほとんどゲームは問題なく普通にプレイできた
- 格ゲーはオンライン対戦になるとラグが発生することがある
- FPSはタイトルによっては重くなる(バトルフィールド1が重かった)
- ゲームのアップデートやダウンロードは時間がかかる
基本的にほとんどのゲームはSoftBank Air回線でも普通にプレイできています。夜間に速度低下を受けた状態でも許容範囲で、わりと普通にプレイできます。
ラグの発生や重さが気になったのは、検証したタイトルの中では格ゲー(ストリートファイター30thアニバーサリーコレクション検証記事)のオンライン対戦時とバトルフィールド1(FPS検証記事)くらいでした。
格ゲーのオンライン対戦は相手側の通信レベルも影響してくるので検証が難しいのですが、一瞬のラグが命取りになるので格ゲーオンライン対戦だけは厳しいイメージです。
ここでは結果だけ書きましたが、ゲーム検証についてもっと詳しくは下記のまとめ記事を書いたので、参考にしてください。
夜間は速度制限あり。しかし制限は緩いほう
SoftBank Airには、WiMAXのように「3日で○GB以上使ったら速度制限」みたいな一律の制限ルールはありません。「回線が混雑した場合に、一時的に速度制限することがある」というやや曖昧なルールになっています。
公式サイトでは下記のように明記されています。
ご利用の集中する時間帯(夜間など)は、サービス安定提供にともなう速度制限のため、通信速度が低下する場合があります。
動画やファイル交換ソフトなどをご利用の場合は速度が低下する場合があります。
「低下する”場合がある”」なんてヤラシイ書き方してますが、実際に利用している私から言わせれば、夜間(20〜21時以降)はほぼ速度が制限されると言っていいです。
とはいえ、SoftBank Airの場合は速度制限を受けても下り10Mbps前後くらいはでます。私の環境で下り5Mbpsを切ることはほとんどありません。
これがWiMAXやポケットWi-Fiだと、制限を食らうと下り最大1Mbpsまで制限を食らうのでかなり厳しいです。1Mbpsを切るレベルだとネットサーフィンもストレスが溜まるレベルで、動画やゲームは厳しいです。
その意味でも、自宅用のネット回線でオンラインゲームもするならWiMAXやポケットWi-FiよりもSoftBank Airの方がまだおすすめできます。
参考記事工事なしのWi-Fiでオンラインゲーム・PS4を遊ぶなら選ぶのはどれ
【重要】SoftBank Airはエリアによって速度が変わる!契約前のエリア確認が必須
最後に一番重要なことです。
前述した通り、Softbank Airはスマホと同じモバイル回線サービスなので、利用可能エリア(地域)というのが細かく決まっています。利用するエリアによって引き出せる最大速度が異なり、体感的にも速度がかなり変わってきます。
SoftBank Airは利用可能エリアが外れると速度が遅すぎて使い物にならないので、まずは自分の住所がSoftBank Airのエリア圏内かどうかを必ず確認が必要です。
この利用可能エリアは、
このように、かなり細かくエリアが区切られています。
右の「対応速度」というのはSoftBank Airがそのエリアで出せる最大速度。つまり、これらのエリアならSoftBank Airで最大261Mbpsの速度が出せるということです。私が使っているのも「261Mbps」のエリアです。
逆に言うと、このエリア情報に掲載されていないエリアは、速度レベルがダダ下がることが公式にも記載されています。
SoftBank Air提供エリアで、上記に記載のない地域は、下り最大175Mbps/165Mbps/112.5Mbps/110Mbpsを提供しております。
予め言っておくと、このエリアに載っていない市町村に住んでいる場合はSoftBank Airは諦めた方がいいです。
契約検討する際は、まず最初に下記の公式サイトで必ず自宅のエリアをチェックしておいてください。
参考記事SoftBank Airのエリアを確認する方法。自宅が対象エリア外の対策まで
関連記事【レビュー検証】SoftBank Airは速度が遅い?評判が割れる理由
SoftBank Air(ソフトバンクエアー)のメリットデメリットまとめ
以上のことをまとめると、SoftBank Airのメリット・デメリットは非常にシンプルです。
- メリット:開通工事しなくてもネットが使える
- デメリット:光回線に比べると速度が遅い
特徴がとてもはっきりしているので、選ぶ際に迷いはないと思います。
開通工事できない・したくない人のためのネット回線である
改めて書きますが、SoftBank Airは「工事できない(したくない)人のためのネット回線」です。物件で工事禁止にされていたり、引越しが多い人には非常にありがたいネット回線と言えるでしょう。
しかし逆に言うと、「工事できる人は光回線にしておくに越したことはない」とも言えます。
通信速度などスペック面においては、全てにおいて光回線の方が盤石です。ソフトバンクユーザーであればSoftBank光を選びましょう。月額料金などコストについては、SoftBank AirもSoftBank 光もそこまで大きな差がありません。
SoftBank光であれば、オンラインゲームでも全く心配なく快適にプレイできます。検討したい人は下記記事など役に立つと思います。
【参考記事】【検証】ソフトバンク光でPS4やオンラインゲームは快適にできる?Wi-Fi・有線接続でプレイしてみた
【参考記事】ソフトバンク光の通信速度を測定テスト!遅いという評判が出るのはなぜ?【光BBユニット/高速化対策】
SoftBank Airに最新5Gモデル「Airターミナル5」が登場!
今まではAirターミナル4(下り最大612Mbps)が最新モデルでしたが、現在ついに最新5GモデルのAirターミナル5が登場しました。
5Gモデル「Airターミナル5」の最大の特徴は、
- 下り最大2.1GBpsという超高速
- (まだ提供エリアは少ない…)
下り最大2.1Gbpsというのは、もはや光回線のレベルの速度です。文字通り今までとはケタ(メガ→ギガ)が変わりました。
あくまで「下り最大速度」というのは理論値(理論上可能な速度でありベストエフォート)なので、実際に家で使って2.1GBpsが出るわけではありません。ただ、さすがに今までのAirターミナル4よりは平均して高速が出せます。
一つ注意点として、5Gモデル(Airターミナル5)はまだ提供エリア=使えるエリアがかなり少ないです。
下記の公式サイトで5Gの対象エリアを確認できるので、5G検討してる人は自分の住所が対象エリアに記載されているか必ず確認してください。
ソフトバンク Airの月額料金
上記の最新Airターミナル5とAirターミナル4で月額料金が変わります(最新Airターミナル5の方が少し高い)。ただ、最新Airターミナル5はまだ提供エリアが少ないので、下記では従来のAirターミナル4の料金を記載します
ソフトバンクAirの月額料金は、Airターミナルを「レンタル」するか「購入」するかで変わってきます。
レンタルした場合の購入料金
※購入の場合は分割回数(12回/24回/36回/48回)によって月ごとの支払額が変わるので、詳細はSoftBank Air公式サイトのシミュレーションを確認してください。
※事務手数料3300円が必要です
※SoftBank Air の契約期間は2年間(SoftBank Air の課金開始日の属する月を1ヵ月目として、24ヵ月目の末日まで)です。解約の申し出がない場合は、更に2年間を契約期間として更新します。契約期間満了の月以外で解約した場合、9,500円の解除料が必要です。
ソフトバンクAirは8日以内なら無料で返却可能。お試し利用してみるのが最も確実
ここまで色々説明して最後は身も蓋もないですが、1番確実なのは実際に使ってみることです。
SoftBank Airは本当にエリアや環境で天と地ほど変わるので、使ってみて判断するのが一番話が早いし確実です。
先にちょろっと言いましたが、ソフトバンクAirは契約日から8日以内なら無料で契約解除・返却が可能です。
必ず