ソフトバンクの「置くだけWi-Fi」と呼ばれる「SoftBank Air(ソフトバンクエアー)」。
光回線と違って回線工事が不要であり手軽であるものの、スマホと同じモバイル電波を使ったWi-Fiなので、
「繋がらない」「繋がりにくい」
といった症状に悩まされる人も多くいます。
その原因としては、やはりモバイル電波を使った無線Wi-Fiというサービスの性質に起因します。
スマホを使っていても場所によって電波が弱まったり圏外になったりするように、同じモバイル回線を使うSoftBank Airも利用するエリアや通信環境によって電波の具合が大きく変化するのです。
では、SoftBank Airが繋がらない・繋がりにくいとなった時に、どのような対処法があるのか?
実際にSoftBank Airを利用している私が、いくつかの対策を下記で挙げていきます。
そもそも、SoftBank Airの対象エリア内か確認していますか?
契約前にエリア情報をちゃんと確認しましたか?
明らかに速度が遅い場合、そもそもSoftBank Airのエリア圏外の可能性があります。
SoftBank Airには「サービス提供可能エリア」というものが決められており、全国の誰でも利用できるわけではありません。
エリア圏外の地域では、基地局からの電波が届かなかったり、しっかりキャッチできずに通信速度がめちゃくちゃ遅くなります。
なので、SoftBank Airを契約する際は、まず自宅(あるいは利用する予定の地域)がSoftBank Airのエリア内かどうかを必ず確認する必要があります。
もしエリア確認をしていない人は、いますぐ確認しましょう。エリア情報は、SoftBank公式サイト内の「住所別下り最大速度情報」というページを開きます。
全国の都道府県、地区が並んでいるので、自宅など利用予定の場所を選択します。
例えば「関東甲信」→「東京」→「千代田区」を選ぶと、さらに細かい町内エリアにまで分かれます。
右の「対応速度」というのはSoftBank Airがそのエリアで出せる最大速度です。つまり、これらのエリアならSoftBank Airで最大261Mbpsの速度が出せる(※)ということです。
(※)「最大速度」は理論上可能な数値という意味で、実際の使用で出ることはないと思ってOKです。潜在スペック的な意味合いで捉えておきましょう。
逆に、ここに掲載されていないエリアでは「利用不可」あるいは「最大速度が大きく落ちる」ことが公式に明記されています。
SoftBank Air提供エリアで、上記に記載のない地域は、下り最大175Mbps/165Mbps/112.5Mbps/110Mbpsを提供しております。
そもそもエリア圏外だと契約時点で断られるケースが多いと思いますが、もし使えたとしても速度がめちゃくちゃ遅いのは当たり前です。エリア圏外なんだもの。
そもそも論ですが、このエリアに載っていない市町村に住んでいる場合はSoftBank Airは諦めた方がいいです。
なので、もしエリアを確認していない人はまず下記の公式サイトで必ずエリアをチェックしてください。
参考記事SoftBank Airのエリアを確認する方法。自宅が対象エリア外の対策まで
SoftBank Airの通信環境が悪い時の対策
1回コンセントを挿し直して再起動
まずは1回コンセントを抜いて、もう一度起動させてみましょう。
これだけで復活することが多々あります。
Airターミナルを電波を拾いやすい窓際に設置する
SoftBank Airは外を飛んでいる電波をキャッチして室内に広げているので、Airターミナルの設置場所(置き場所)で電波の拾い具合に差が出たります。
結論を言うと、なるべく窓際にAirターミナルを置きましょう。
その方が外の電波をキャッチしやすいです。逆に部屋の奥の方に置いたり、障害物に囲まれた位置に置くと外の電波をうまくキャッチできずに通信が不安定になったりするので移動させましょう。
ただ、厳密に言うとどの位置がベストかは一概に言えないので、自分で一番安定するポイントを探してみるといいです。
参考記事SoftBank AirのAirターミナルの置き場所はどこにが良い?設置場所のベストは窓際に置くこと!
5G(5GHz帯)で接続する
SoftBank Airは「2G(2.4GHz)」と「5G(5GHz帯)」という2つの周波数帯を使うことができます。これは接続する際に好きな方を選ぶことができます。
両者を比較すると、5Gの方が新しい規格で通信速度が速いです。なので速度有線するなら5Gで接続するようにしましょう。「○○-5G」というSSIDに接続すれば5GHz帯を利用できます。
ただし、5Gは高速な反面、障害物に弱いという弱点があります。Airターミナルと接続機器(今回はiPhone)の間にドアや家具、床や壁などの障害物があると電波が届きにくくなるので注意しましょう。
2Gと5Gの特徴をざっくり比較すると以下の通りです。
2Gと5Gの違い
- 【2G(2.4GHz帯)】
→速度は普通だが、障害物に強く電波も遠くまで届く。しかし周りの機器の電波干渉を受けやすい。 - 【5G(5GHz帯)】
→ 速度は早いが、障害物に弱く通信距離が遠くなったりすると不安定になる。周囲の機器の電波干渉には強い
詳しくは下記記事に書いているので、参考にしてください。
複数人・複数の端末から同時通信するときは、2G・5G接続を統一する
複数の端末でSoftBank Airを同時に使う場合(複数人や、スマホ/タブレット同時など)、それだけでも速度が落ちやすい時もありますが、
端末ごとに2Gで接続したり5Gで接続したりバラバラだと顕著に繋がりにくくなるケースがあります。
5G接続するならどの端末も5Gに統一するなど、バラけない方が良いです。
ドア・壁・家具など電波の障害物を避ける(別室、1階/2解での通信など)
電波の障害物となるものは、速度低下に影響します。
ソファなどの家具くらいであればそこまで影響するとは思いませんが、例えばSoftBank Airの置き場所と別室で通信するとか(壁が障害物)、1階にSoftBank Airを置いて2階で通信するとか(天井が障害物)だと、十分に速度低下する可能性が考えられます。
私も以下の記事で実際に検証してみましたが、オンラインゲームなどの重さはやはり若干変わってきました。
結論、SoftBank Airは戸建てでファミリーで利用するのは向いていません。
あくまで一人暮らし用、それも1K〜1LDKくらいの間取りの家で使うのに適していると思いますね。
電化製品、とくに電子レンジからは離れたところに設置する
電化製品の電波と、SoftBank Airの電波が互いに干渉している可能性もあります。
とくに電子レンジは、SoftBank Airと同じ2.4Gの周波数を使っているため電波障害を起こしやすいです。
もし電子レンジや、そのほか電波を使っている電化製品の近くにSoftBank Airを置いている人は、場所を変えてみましょう。
夜間は速度制限の影響で速度は落ちる
そもそもですが、SoftBank Airは夜20時〜くらいは速度が下がります。
これは夜になってネットを使い始める人が急増して回線が混雑することにより、SoftBank側がパンクしないように軽い速度制限をかけるからです。
実際にどのくらい速度が下がるかと言うと、以下の時間帯ごとの速度テストを見れば明らかです↓
<朝8時>
<昼12時>
<夕方17時>
<夜20時>
- 【朝8時】:下り71.8Mbps/上り9.67Mbps/Ping28ms
- 【昼12時】:下り85.0Mbps/上り9.01Mbps/Ping29ms
- 【夕方17時】:下り68.1Mbps/上り7.67Mbps/Ping29ms
- 【夜20時】:下り8.13Mbps/上り8.09Mbps/Ping28ms
ご覧の通り、朝から夕方までは十分すぎる速度が出ていますが、夜20時になると下り9Mbpsまで下がっています。
あくまで私の自宅での計測結果ですが、夜間は概ね下り8〜10Mbpsくらいまで速度低下することが多いです。
ただ、速度低下したとはいえ下り8〜10Mbpsも出ていればネットは普通にできますし動画も見れます。オンラインゲームもちょい重くなる時がある程度で普通にできているので、個人的にそこまで困るレベルではないです。
SoftBank Airの速度問題については下記記事に詳しくまとめています↓
最新のAirターミナル4に機種を交換する
SoftBank Airのルーター(端末)を「Airターミナル」と呼びますが、2020年現在は最新のAirターミナル4が出ています。
もし現在Airターミナル3以前の機種を使っている人は、コストがかかりますが最新Airターミナル4に交換してもらうことも検討してみてはいかがでしょうか。
Airターミナル4は最大速度が大幅に速くなっていて、下り最大速度962Mbpsという超ハイスペックに進化しています。
私が使っているのは一世代前のAirターミナル3です。3だと下り最大速度350Mbpsなので、Airターミナル4の下り最大962Mbpsはほぼ桁違いレベルのスペックになりました。
と言っても、もちろん「最大速度」は理論値なので実際に962Mbps出るわけじゃないですよ。それだけ洗剤スペック=ポテンシャルが上がったということです
現在Airターミナル3を利用している人でも、SoftBankに問い合わせれば契約はそのままAirターミナル4にしてもらうことはできます。が、その場合は新たにAirターミナル4の端末代金(購入またはレンタル)がかかります。
これから新規でSoftBank Airを契約する人はAirターミナル4を使えるので問題ありません。
中継機のルーターを購入しても意味なし(速度ははやくならない)
よくある質問で、
「市販のルーターを買って中継機にしたら速度ははやくなりますか?」
と聞く人がいます。
市販のルーターというのは、言わば自宅のネット回線のポテンシャル(速度)をなるべく100%発揮させるための装置というイメージです。
間違っても、ネット回線自体の速度をあげるものではありません。
なので、元の回線(SoftBank Air)が遅い状態だと、いくら高価なルーターを中継しても潜在能力(SoftBank Air自体の速さ)以上の速さを出すことはできません。
参考SoftBank Airにおすすめの中継機・他のルーターはあるの?
今まで問題なかったのに、急に遅くなった場合は何が原因なの?
今まで全く問題なく普通に使えていたのに、ある日から急に速度が遅くなった・・・・
なんて声もよく聞きます。
この場合、考えられる原因としては、
「同一エリア内のSoftBank Airユーザーが増えた」
ということですね。
同一エリア内のユーザー数が増えれば増えるほど回線が混雑しやすくなるので、速度低下します。
一応、一つのエリア内にユーザーが増えすぎないようにSoftBank側で契約数を調整しているという話もあるのですが、昨今のリモートワーク需要の急激に増加によってSoftBank Airの利用者数が急増していることもあり、とくにコロナ以降は回線混雑しやすい状況になっているかもしれません。
もしSoftBank Airユーザーの増加による回線混雑が原因の場合、あなたにできる対策は残念ながらありません。
SoftBank側が回線を強化して混雑を緩和させるのを待つか、あるいは諦めて違う回線に乗り換えるかです。
参考記事リモートワーク・テレワークにおすすめの置くだけWi-Fiルーター
どうしても繋がらないなら、他の回線に乗り換えるしかない
光回線に変更するのが一番安心
どうしようもないので大人しく光回線に変更しましょう。光回線であれば速度や安定性に悩むことはなくなるでしょう。
ソフトバンクなら
SoftBank光
月額料金もSoftBank Airとさほど変わらず、さらにSoftBank Airからの乗り換えなら解約金や工事費を負担してくれるサービスもあります(※時期によって内容が変わるので、詳しくは公式サイトを確認してください)
公式サイト
SoftBank光
光回線は自宅まで線を引っ張ってくるので開通工事が必要ですが、そのぶん通信速度の速さや安定度は1番です。
私もSoftBank Airを契約する前に実家でソフトバンク光を利用していましたが、速度で不満を持ったことはほぼありませんでしたよ。
さすが光回線とあって、有線接続だと通信速度も下り200Mbpsを超える爆速でした↓
Wi-Fiルーターを経由してスマホに電波を飛ばしても、下り145Mbpsという高速が出ます。
これくらいの速度が出れば、動画やオンラインゲームも全くストレスなく快適に遊べます。PS Vitaでゲームをしている時は時折ややタイムラグを感じることがありましたが、それ以外に速度でストレスを感じたことはありません。
詳しい記事【速度検証】SoftBank光でPS4やオンラインゲームは快適プレイできる?
自宅に光回線が引けるのであれば、ソフトバンク光を契約するのが一番確実ですね。別途でWi-Fiルーターを買ってくれば、SoftBank Airのように家中にWi-Fiを飛ばすこともできます。
通信速度を最優先にしたいなら、やはり光回線がベストです。
公式サイト
SoftBank光
回線工事ができないなら、WiMAXで代替を検討
「そもそも自宅に光回線が引けない事情があるからSoftBank Airにしてんだ!」って人も多いかと思います。回線工事禁止のアパートに住んでいる人とか、あるいて転勤族の人など。
その場合は、SoftBank Airと同じくWi-Fiサービスである「WiMAX」を検討してみてはどうでしょうか。
- WiMAX: au系列のモバイルWi-Fiサービス。auグループ会社の
UQ WiMAX
が提供しているモバイル回線。
WiMAXは、SoftBank Airと同じくモバイル回線を利用したWi-Fiサービスですが、Airと違ってWi-Fiルーター(機器)がポケットサイズの小型で、外にも持ち運べることが大きな違いです。カフェで執筆したりノマド仕事する人には大人気のサービスですね。SoftBank Airはさすがに外出先には持ち運べないので。
SoftBank Airと同じく、WiMAXにも提供エリアがあります。しかしSoftBank Airとはエリア判定基準が違うので、SoftBank Airでエリア外の地域でも、WiMAXならエリア内ということもあります。
WiMAXのエリア情報も公式サイトで確認できるので、契約検討するならチェックしておきましょう。
公式HP
UQ WiMAX
私もノマドワーカーなので過去にWiMAX使っていましたが、速度面ではSoftBank Airとそう変わりません。所詮はモバイル回線サービスなので、auスマホとソフトバンクスマホで別に通信速度に差がないのと同じ感じです。
よく「WiMAXは屋内に弱い」と言われることがありますが、私が使っていた限りではそのように感じたことはありませんでした。
ただし!
SoftBank Airと違い、WiMAXは3日間で10GB以上使うと速度制限を受けるという明確な制限ルールがあります。なのでお世辞にも「使い放題」とは言えません。
SoftBank Airは、「回線が想定以上に混んだときには速度制限することがある」という明記はありますが、○日間で○GB以上〜といったような明確な制限ルールは設けていません
とはいえ、光回線が引けないなどの事情があれば、確かにモバイルWi-Fiに頼るしかありません。SoftBank Airがダメであれば、WiMAXが代替候補となります。