2017~2018年くらいにかけては他のAndroidスマートフォンの進化(主にカメラ・デザイン周り)に遅れを取ってしまっていた印象のXperiaシリーズ。
しかし2019年夏、満を持して登場したXperia 1ではデザインが大幅改善され、カメラ・本体性能もアップして大復活を果たしました。

実際に使ってみると確かに高性能になっているし、カメラもトリプルレンズ搭載(望遠や広角レンズ搭載)に進化したおかげでGalaxyシリーズに負けないきれいな写真を撮れるようになっています。
デザイン面でもXperia XZ2~XZ3までの背面に厚みがあるデザインを終了し、従来の平らな本体デザインに戻ったので私好みになりました。
メリットもあればデメリットも色々感じたので、早速Xperia 1 ドコモモデルのレビューを書いていきたいと思います!
ドコモモデル
Xperia 1の外観デザイン・機能をチェック!
外箱は過去のXperiaシリーズと同様非常にシンプルな白いデザインで、本体サイズギリギリのコンパクトさとなっています。
本体デザインは高級感バツグン!細長く野暮ったさは一切なし
今回購入したXperia 1は「パープルカラー」です。
青みがかったパープルカラーとなっています。
建物などの照明の色合いによって色の見え方が変わってきますが、青に見えることが多いですね。
私がXperia XZ2を所有していたときに不満が大きかった指紋認証センサーは、Xperia 1だと本体側面に移動しました。



Xperia 1の指紋認証センサーは側面の真ん中にあるので、握ったタイミングで触って画面ロックを解除するのが容易になりました。
なお指紋認証センサーの下には電源ボタン、カメラボタンがあります。
Xperiaシリーズでは一貫した仕様ですが、SIMスロットを引き出すのにピンが不要です。私のような複数枚のSIMカードを持っている人にとって入れ替えやすいのも地味なメリットです。
(他の機種だと、ピンを持ち歩かないと外出先で入れ替えができず面倒です)
充電端子はもちろんUSB Type-Cなので、ケーブルの向きを気にせず挿し込めます。
イヤホンジャックはなし。付属のケーブルで変換が必要
Xperia 1にはイヤホンジャックがありません。付属のケーブルを使ってUSB Type-C端子と接続する必要があります。
また付属品はワンセグチューナー機能付きのイヤホン変換ケーブルのみなので、充電器や充電ケーブルは100円ショップなどで用意しなければいけません。
Xperiaは3年程度USB Type-C端子の機種を展開しているので、Xperiaからの乗り換えなら多くの方はケーブル・充電器を使い回せますよ。
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トリプルレンズ搭載したXperia1のカメラ性能は? 実際に写真を撮影して検証
長い間シングルレンズが採用されていたXperiaシリーズですが、Xperia 1では一気にトリプルレンズに進化を果たしました。
1,220万画素の通常レンズに加えて、望遠レンズ・超広角レンズが搭載。遠くのものを大きく・そして広く撮影できるようになっています。
とはいえ、トリプルレンズ自体は3万円程度で買えるP30 liteにも搭載されているので、それだけではもはや今のスマホ界では強みにはなり得ませんが。
というわけで、Xperia1のカメラ性能をチェックするために実際にいくつか写真を撮ってみました。
望遠レンズでスタジアムを遠くから撮ってみた
カメラの「×1」ボタンを押すと2倍ズームの望遠レンズ(×2)に切り替わり、遠くの被写体を大きく撮影できます。
通常の撮影と、望遠での2倍ズーム撮影で比較してみます。


標準モードで撮影


2倍ズームで撮影
スタジアムを撮影してみましたが、2倍ズームで撮ると建物内部までよく見えるくらい一気に近づきました。
ズームでもこれくらい綺麗に取れれば、運動会ではお子さんの写真が大きく綺麗に撮れるはずですよ。
広角レンズで横に長い駅を撮ってみた
ズーム撮影の状態で「×2」となっているボタンを押すと、画角を広げて横・手前まで広く写せる超広角レンズに切り替わります。


標準で撮影


広角で撮影
横に長い駅建物を撮影してみました。
普通に撮ると建物全体が入りきりませんが、広角モードで撮影するとグッと広がって建物全体が入り込むようになりました(残念ながら撮影位置の関係もあり、完全に駅全体までは画面内に収められませんでしたが…)
こうした広角レンズは、集合写真や風景写真を撮るときに役立ちますよ。
背景ボケ設定でフィギュアを撮ってみた
Xperia 1は当然ながら背景ボケのあるポートレート写真も撮影可能です。カメラメニューの「4:3」下にあるボタンを押せば切り替わります。


標準で撮影


背景ボケで撮影
背景ボケありだと後ろのフィギュアがしっかりボケてくれるので手前側が際立ちますね。安いスマホだとボケ方が雑だったりするのですが、Xperia1のボケ方は自然でイイ感じです。
ただし、細いものはカメラソフトが「背景」と認識するようで、ぼかしが失敗することが結構多いのは気になるところ。
例えば下の写真は失敗例↓
手に持ってる武器までボケてしまってるんですよね。おそらく背景(=ボカシ対象)と認識されています。
こうした細かい部分の精度をみると、Pixel3aやGalaxy S10の性能には劣る印象です。
AIの力で簡単に料理写真を撮ってみた
料理写真や風景写真など、一般的な撮影シーンはAI搭載で自動的に判断され、最適な設定を施してくれます。
なので写真素人でも普通にパシャっと撮影するだけで、それなりに良い色合いの写真が出来上がってくれるわけですね。
試しに、食事写真を撮ってみました。


AIが自動で調整してきれいに撮ってくれる!
明るさや色合いもバッチリですね。手前のメンマやネギなどが色鮮やかに映し出されていて、美味しそうに撮れています。



カメラ性能に強くこだわる人でなければ、十分に満足できる性能だと思いますよ
Xperia1は縦長ワイド画面のメリットが多い!映画鑑賞やゲームは大画面で、マルチウィンドウも使いやすい
Xperia 1は縦長の大画面が採用されていて、とにかく「長い」スマホです。
このワイド画面が一番役立っているのは、横長ワイド画面で映画を見るときですね。
4:3や16:9の標準的な画面比率だと左右のスペースが余りますが、1:2.35のシネマスコープ画面になっている古い映画などでは、画面全体に映像を写せるのでかなり迫力があります。
4:3などの画面比率の映像も拡大はできますが、拡大すると画面の一部がカットされてしまうので注意です。
ゲームアプリも対応しているPUBGは全体に大きく表示できる
Xperia 1は変わった画面サイズなので、アプリはあまり対応していないのでは…?と思っていましたが、最新のPUBGは問題なく対応していました。
メニューからプレイ画面まで、しっかり全体に画面が表示されてくれます。なので、普通のスマホよりも迫力ある大画面でゲームが楽しめます。
ただ、画面端に表示される独自のゲームメニューボタンが邪魔です…。(消す方法があるのかもしれませんが、とりあえずタップして開いたメニューからは消せませんでした)
マルチウィンドウが使いやすい!2つのアプリを同時起動しても大きく表示できる
Xperia 1は画面が縦長なので、他の機種よりマルチウインドウを活用しやすいです。
マルチウィンドウを使えば、上画面に動画アプリ、下画面にSNSやブラウザアプリを表示して、動画をみながらネットサーフィンしたりできます。
Xperia 1は縦にとにかく長いので、マルチウィンドウの上に動画をある程度大きく表示にしていても、下部分で普通のスマホ(iPhone 5sなど)くらいの表示領域を確保できます。
他の機種だと動画とブラウザが1:1くらいになるので窮屈すぎてとても快適に使える感じではないのですが、Xperia 1は普通に快適に使えます。



サイドセンス機能で、縦に長いスマホでも操作しやすい工夫がある
Xperia 1はとにかく縦に長いので、やや心配だったのが片手持ちで操作しづらそうなことです。
しかし、その弱点を補うためでしょう、Xperia 1にはフレーム部分を手のひらでなぞって「戻る」操作をしたり、アプリの切り替えができたりする「サイドセンス」という機能があります。
正直言ってサイドセンスと認識される判定が厳しく、慣れるまでかなり使いづらいですが、使いこなせるようになればスマホを持った方の手で細かい操作をスムーズに行なえるようになる……と思います。



Xperia 1はPS4のリモートプレイが可能!
XperiaとiPhoneは、PS4のゲームを遊べる「リモートプレイ」対応で、いつでもどこでもPS4の手持ちのゲームで遊べます。
実際に「ソニックマニア」で遊んでみました。
ただ……画面に表示されるコントローラーでの操作は正直難しいので、映像や音声はきれいなものの快適には遊べません。
一応PS4のコントローラーを接続して操作に使う機能があるので、必要であればPS4コントローラーの用意がおすすめです。
Xperia 1のスペック評価|不満点はストレージ容量のみ
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Xperia 1のスペック表
価格 | 92800円(Amazon、auモデル) |
OS | Android 9 |
CPU | Snapdragon 855 |
メモリ | 6GB |
ストレージ容量 | 64GB |
画面 | 6.5インチ、1644×3840 |
カメラ | アウトカメラ:1220万画素+1220万画素+1220万画素 インカメラ:800万画素 |
重さ | 178g |
バッテリー容量 | 3200mAh |
ご覧の通り、Xperia 1のスペックは全体的に高めです。
唯一の欠点と思ったのが、何故かストレージ容量が64GBなこと。
Galaxy S10シリーズやAQUOSの各種最新端末は128GBですし、もっといえば海外版のXperia 1は128GBなのに、なぜか半分の64GBにスペックダウンしています。
仮にストレージ容量を減らした理由が「価格を抑えるため」だとしても、定価10万円を超えている時点あまり意味がないような…。
Xperiaは半年に1回新機種が出るので、後継機でのスペックアップポイントとして、ストレージ容量倍増をアピールしてくるような気もします。
Xperia1のベンチマークテスト結果
スペックを数値化して他の機種と比べられる「ベンチマークテスト」をしてみると、Xperia1の数値は323318でした。
以前にレビューしたGalaxy S10は346311なので、ほぼ同程度ですね。このくらいの数値なら体感的にはほぼ変わらず快適に動いてくれます。
とはいえ、本体価格はS10が9万円程度、Xperia 1は10万円なので、できればXperia 1の数値が勝っていて欲しかったですね…。
CPU性能も高くゲームも快適!PUBGは最高画質でプレイ可能
搭載CPUの「Snapdragon 855」はゲームと相性の良い高スペックなので、ゲームプレイは安心してOKです。しかも画面も4Kで圧倒的にきれいな解像度となっています。
試しに、おなじみのPUBGで遊んでみました。PUGBはプレイする機種ごとに画質の上限が変わってくるので、CPU性能を体感するのに手っ取り早いのです。
Xperia1で設定できた画質は、Androidスマホだと最高の「HDR・ウルトラ」です。やはり高性能なことが証明されていますね。
実際にプレイしても、移動や戦闘シーンでも動作はなめらかでサクサク動きます。タイムラグが起きたり画面がガタついたりといったストレスもありません。
Xperia 1はゲーマーにも最適なスマホですね。
Xperia 1を使ってみて感じたメリット・デメリットまとめ
Xperia 1を使ってわかったメリット
ココがよかった!
- 縦長画面のおかげで映画が観やすい・2画面でアプリを快適に使えるのが良い
- おサイフケータイや防水、ワンセグ対応で、機能性も抜群
- Xperiaシリーズとしては、細く軽いデザインに変更されてデザイン的に魅力アップ
- カメラ性能が高くなり、広角撮影や2倍ズームなど活用できるようになった
個人的にはやはり「シネマスコープサイズの横長画面の映像を全体表示できるほどの縦長画面」は唯一無二のメリットです。ただ機能・性能が高いだけでなく「Xperia 1でしかできないこと」という点が評価ポイント。
デザイン面も一時期のXperiaは試行錯誤している印象が強かったですが、Xperia 1は迷いを断ち切って今後の方向性が定まったように感じられ、これからの進化も含めて期待できます。
カメラ性能はトリプルレンズ搭載で広角と望遠に対応したため、Galaxy S10と並ぶくらいまで来ています。私のような一般ピーポーであればもう十分満足できるレベルまで向上していますね。
欲を言えば、今後はMate 20 Proのマクロレンズのように、Xperia 1でしかできない独自のカメラ体験も発展させて欲しいです。
Xperia 1の残念だったデメリット
ココが残念……
- 縦長すぎてポケットに入れると飛び出る(胸ポケットなんて半分くらい出る)
- 海外では128GBだったストレージ容量が、64GBになぜか半減されている
- 定価が103,032円(ドコモモデル)と高め
- SIMフリーモデルも販売してほしい
とにかく縦に長いので、夏場の軽装では衣服に入れて持ち運ぶとちょっと邪魔です。ポケットからスマホの頭が出ているとファッション的にも決まらないですし、ここはうーんと悩みどころ。
そして10万円のスマホでストレージ容量64GBという少なさは、やはり大きなデメリットですね。一応64GBでもmicroSDカード対応なので困らない人のほうが多いとは思いますが、他の機種にスペックが明らかに劣ってしまっているのは残念。
バッテリー持ちは並程度です。1日は問題なく持ちますが、できれば4,000~5,000mAhくらいのバッテリーを搭載してより長持ちしてくれれば嬉しかったですね。
まとめ



本当にガッカリだったのはストレージ容量の少なさくらいで、満足度は高いです。
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