面倒な開通工事なしで、コンセントに挿すだけでインターネットが使えるホームルーター。
ただその手軽さの反面、回線としてはスマホと同じように基地局からの電波をキャッチして通信するタイプの回線なので、しっかり工事をして回線を家に引く光回線と比べると通信速度が劣るという面もあります。
そこでこの記事では、実際に私が利用経験のある以下の人気ホームルーター
- ソフトバンクの「SoftBank Air(ソフトバンクエアー)」
- UQコミュニケーションズ(au系列)の「UQ WiMAX(Home L02)」
この2つについて、実際にオンラインゲームがどのくらい快適にできるか検証したので結果をまとめます。
検証する二大人気の工事なしホームルーター【SoftBank Air/WiMAX】
最初に、今回検証するホームルーター「SoftBank Air(ソフトバンクエアー)」と、「UQ WiMAX(Home L02)」について簡単に紹介しておきます。
それぞれ特徴は以下の通り。
各ホームルーターの特徴
SoftBank Air(→公式HP)
……ソフトバンクが提供しているホームルーター。工事は不要、コンセントに挿して電源ONすればすぐにネットが使える。通信量無制限で使い放題。- WiMAX(→UQ WiMAX公式HP)
……au系列のUQ WiMAXが提供しているモバイルWi-Fi。コンセントに挿して使うホームルーター型と、外へ持ち運ぶこともできるポケットサイズのルーターもあり。3日で10GB制限あり。
それぞれソフトバンクとau系列のホームルーターですが、誰でも契約できるので安心してください。ただ、お使いのスマホキャリアのホームルーターだとスマホセット割引があるのでお得になります。
両方の利用経験がある私が(SoftBank Air(ソフトバンクエアー)は現在も利用中)が最初に言っておくと、
両者の大きな違いは「速度制限のキツさ」です。
WiMAXの方は「3日で10GBまで」という一律の制限ルールがあるため、オンラインゲームは結構きついです。土日休みでゲームすれば10GBなんて一瞬ですからね。
SoftBank Airの方は「○日で○GBまで」のような制限ルールはないため、私は結果的にSoftBank Airを使うことにしました。
SoftBank Air(ソフトバンクエアー)でオンラインゲームはできるか?
ソフトバンクが提供しているホームルーターで、私も実際に使っていておすすめできるのが
先に言っておきますが、ソフトバンクユーザーだけでなくauやドコモ利用者でも契約可能です。ただ、ソフトバンク/ワイモバイルのスマホ利用者だとスマホセット割引で毎月のスマホ代が1000〜2000円安くなるので超お得になります。
ソフトバンクエアーの特徴は以下の通り。
SoftBank Airの特徴
- 回線工事が不要!コンセントに挿して電源ONするだけでネットが使える
- 通信量の制限はなく使い放題
- ただし、回線が混雑した際に速度制限がかかる場合がある
- 通信速度は利用エリアと通信環境に大きく左右される(私も使っていますが、私の環境では動画もオンラインゲームもほぼ問題なくできるレベル)
- 外への持ち運びは不可能。なので「自宅のみ」で使う前提。
ホームルーターなので外に持ち運びできませんが、自宅で使うなら一番安定感があるかなと感じています。
SoftBank AirでPS4やニンテンドースイッチのオンラインゲームをした結果
続いて、オンラインゲームが快適にプレイできるか。ゲームプレイは動画視聴よりハイスペックが要求されるので「モバイル回線には荷が重い」と言われがちです。
私は過去に、同じモバイル回線サービスである他社のポケットWi-Fiでオンラインゲームをしていた経験があるのですが、頻繁にタイムラグが発生したり画面がカクカクになったり、しまいには通信切断が起こりまくりで、快適プレイなんて夢の夢といった感じで最悪でした。
なのでオンラインゲームに関してはSoftBank Airもやや不安があったのですが、意外や意外、結果的にほとんどのゲームはSoftBank Air回線でもプレイできました。
【サクサク感の目安】SoftBank AirのPing値はなかなか優秀
オンラインゲームの快適性は、下り速度だけでなく「Ping」という数値が重要になります。Pingは応答速度を意味する数値で、要するに操作の「サクサク感」に影響するもので、数値は小さければ小さいほどサクサク動きます。
主観ですが、おおよそPing値の目安は以下の通り。
Ping値の目安
- Ping100〜:ゲームの快適プレイは不可能
- Ping50〜100:動きがもたつき厳しい
- Ping20〜40:普通くらい
- Ping10以下:とても快適
※あくまで目安です。
で、最初に出したSoftBank Airのスピード結果を振り返ると、
- 【朝8時】Ping28ms
- 【昼12時】Ping29ms
- 【夕方17時】Ping29ms
- 【夜20時】Ping28ms
Ping値は1日通して20台msで推移しているので、目安でみても合格ラインです。日によっても違いますが、ほぼ20ms〜35msの間に収まるのでスペック的にも想像より優秀なんですね。
参考記事SoftBank AirのPing値(応答速度)ってどれくらい?実際に測定してみた【ゲーム使用感など】
ゲームタイトルごとのプレイ感想まとめ
「
人気のスプラトゥーンやモンハン、ジャンルはFPSから格ゲー、機種はPS4からニンテンドースイッチまであらゆるゲームを実際にプレイしてみた結果、まとめると以下のような感じです。
ポイント
- ほとんどゲームは問題なく普通にプレイできた
- 格ゲーはオンライン対戦になるとラグが発生することがある
- FPSはタイトルによっては重くなる(バトルフィールド1が重かった)
- ゲームのアップデートやダウンロードは時間がかかる
基本的にほとんどのゲームはSoftBank Air回線でも普通にプレイできています。夜間に速度低下を受けた状態でも許容範囲で、わりと普通にプレイできます。
具体的な検証記事は以下にリンクを並べておきます。
オンラインゲーム検証まとめ
- 【PS4】モンハンワールド(検証記事はこちら)
→ プレイにはほとんど問題なし。ゲームのアップデートに10分かかった。 - 【PS4】バトルフィールド1/コールオブデューティブラックオプス3(検証記事はこちら)
→コールオブデューティブラックオプス3は余裕でプレイ可能。バトルフィールド1は移動動作が重かったり、読み込み時間がかかったりと厳しさが見える。 - 【Switch】スプラトゥーン(検証記事はこちら)
→余裕でサクサクプレイ可能。夜間下り8Mbpsでも問題なし。 - 【Switch】マリオカート8デラックス(検証記事はこちら)
→余裕でサクサクプレイ可能。 - 【Switch】ストリートファイターシリーズ(検証記事はこちら)
→格ゲーのオンライン対戦は相手の通信環境が悪いとクソ。コマンド入力から技発生までラグが出るのでゲームできたもんじゃない(これは相手のせい) - 【3DS】スマッシュブラザーズ(検証記事はこちら)
→光回線でプレイしてる時と変わらないレベルのサクサク感 - 【ソシャゲ】フォートナイト(検証記事はこちら)
→ゲームプレイはサクサク快適そのもの。ただゲームダウンロードに25分かかった。
以上のように、ほとんどのゲームはプレイ自体はびっくりするほど普通にできました。夜間に速度低下を受けた状態でも許容範囲で、わりと普通にプレイできます。
ラグの発生や重さが気になったのは、検証したタイトルの中では格ゲー(ストリートファイター30thアニバーサリーコレクション検証記事)のオンライン対戦時とバトルフィールド1(FPS検証記事)くらいでした。
格ゲーのオンライン対戦は相手側の通信レベルも影響してくるので検証が難しいのですが、一瞬のラグが命取りになるので格ゲーオンライン対戦だけは厳しいイメージです。
もう一つオンラインゲームについてもう少し細かいことを言うと、ゲームをサクサク快適にプレイするには下り速度だけでなく、応答速度を示す数値である「Ping」が重要になります。
このPingはゲームプレイのサクサク感に影響する数値で、数値が低いほど良いです。
Ping値の目安
- Ping10ms以下:とても快適
- Ping20〜40ms:普通くらい
- Ping50〜100ms:動きがもたつきストレスを感じる
- Ping100ms〜:ゲームの快適プレイは不可能
※単位はms(ミリ秒)
SoftBank AirのPingはというと、平均20ms〜30msくらいとわりと優秀な数値です。
(下り速度の下にPing表記あり。この時はPing28msでした)
夜間の速度制限においても比較的普通にゲームプレイできるのは、このPing値がなかなか優秀な点もあるでしょう。
エリア判定を忘れずに!
以上のように、私の環境下ではSoftBank Airでオンラインゲームは概ね問題なくできました。
しかしこの検証は、あくまで私のエリア(最大261Mbpsエリア)で計測した結果です。
SoftBank Airはエリアと環境によって速度が大きく変わるので、契約前に必ず公式サイトで自宅地域がエリア情報に掲載されているかチェックしてください。
ゲーム検証全まとめ
ソフトバンクエアーはLANケーブルを繋いで有線接続ができる
もう一点、自宅で使う際に
Wi-Fiの電波で通信する場合、ルーターと接続機器の間に障害物(家具、ドア、壁、天井など)があると、電波が遮られて通信が安定しない場合があります。そうした際に、LANケーブルで直接繋ぐことで多少離れた場所でも安定して通信することが可能になります。
なのでSoftBank Airも含め、工事なしWi-Fiを家のネット回線で使うなら一人暮らしの家ならOKですが家族みんなで使うのは正直おすすめしません
参考記事工事が不要でLANケーブルが挿せるホームルーターは?有線LAN接続可能なおすすめ置くだけWi-Fi
SoftBank Airの通信速度/速度制限について
なのであくまで参考にしかならないのですが、私の通信環境でSoftBank Airの速度をテストしてみるとこんな感じです↓
<朝8時>
<昼12時>
<夕方17時>
<夜20時>
- 【朝8時】下り83.6Mbps/上り6.02Mbps/Ping31ms
- 【昼12時】下り45.8Mbps/上り6.89Mbps/Ping28ms
- 【夕方17時】下り98.1Mbps/上り7.38Mbps/Ping29ms
- 【夜20時】下り9.52Mbps/上り7.43Mbps/Ping33ms
日によって数値は上下するのですが、この数値はいい方ですね。平均すると朝〜夕方までであれば下り30〜60Mbpsくらいの範囲に収まることが多いイメージです。
ただし見てわかる通り、SoftBank Airは夜間から(大体20時くらいから)速度低下しやすいです。これがSoftBak Airの速度制限になります。
WiMAXやポケットWi-Fiのように「3日間で10GBまで」といった一律ルールはないものの、「回線が混雑した場合には一時的に速度を制限する場合がある」という言い方で公式に明記されています。
とはいえ、SoftBank Airは速度制限を受けても下り7〜10Mbpsくらいは出ます。この程度の速度が制限が出せれば、ネットサーフィンや動画は普通に観れますし、オンラインゲームも大体は普通にプレイできるレベルです。
参考記事SoftBank Airは夜に速度低下しやすい?時間帯による速度変化と夜間の使用感をレビュー
エリアが外れると使い物にならないので、まずは自分の住所がSoftBank Airのエリア圏内かどうかを必ず確認が必要です。
エリア情報は、
右の「対応速度」というのはSoftBank Airがそのエリアで出せる最大速度。つまり、これらのエリアならSoftBank Airで最大261〜982Mbpsの速度が出せるということです。私が使っているのも「261Mbps」のエリアです。
逆に言うと、このエリア情報に掲載されていないエリアは、速度レベルがダダ下がることが公式にも記載されています。
SoftBank Air提供エリアで、上記に記載のない地域は、下り最大175Mbps/165Mbps/112.5Mbps/110Mbpsを提供しております。
予め言っておくと、このエリアに載っていない市町村に住んでいる場合はSoftBank Airは諦めた方がいいです。
契約検討する際は、まず最初に下記の公式サイトで必ず自宅のエリアをチェックしておいてください。
SoftBank Airに最新5Gモデル「Airターミナル5」が登場!
今まではAirターミナル4(下り最大612Mbps)が最新モデルでしたが、現在ついに最新5GモデルのAirターミナル5が登場しました。
5Gモデル「Airターミナル5」の最大の特徴は、
- 下り最大2.1GBpsという超高速
- (まだ提供エリアは少ない…)
下り最大2.1Gbpsというのは、もはや光回線のレベルの速度です。文字通り今までとはケタ(メガ→ギガ)が変わりました。
あくまで「下り最大速度」というのは理論値(理論上可能な速度でありベストエフォート)なので、実際に家で使って2.1GBpsが出るわけではありません。ただ、さすがに今までのAirターミナル4よりは平均して高速が出せます。
一つ注意点として、5Gモデル(Airターミナル5)はまだ提供エリア=使えるエリアがかなり少ないです。
下記の公式サイトで5Gの対象エリアを確認できるので、5G検討してる人は自分の住所が対象エリアに記載されているか必ず確認してください。
参考記事SoftBank Airのエリアを確認する方法。自宅が対象エリア外の対策まで
関連記事工事なしのホームルーターは通信速度が遅い?実際に人気ルーターの速度を調べてみた
【3日10GB制限あり】WiMAXのホームルーターでオンラインゲームができるか?
WiMAX(ワイマックス)は、au系列が提供しているモバイルWi-Fiです。こちらもソフトバンクAirと同じくモバイル回線を利用したWi-Fiになります。
WiMAXには、通信量無制限で使い放題の「ギガ放題プラン」と、月7GBまでの「7GBプラン」があります。現在の主流はやはりギガ放題ですね。7GBを選ぶ人はあまりいません。
なので、ギガ放題を選べば一応は「使い放題」となります。ただし重要なこととして、WiMAXには3日10GB制限があります(後述)。
WiMAXの特徴をまとめてみると次の通り。
WiMAXの特徴
- ホームルーター型とポケット型の2種類ある(ポケット型は外へ持ち運べる)
- 通信量無制限の「ギガ放題プラン」あるが、3日10GBの速度制限あり
- 通信速度はエリアによって影響を受ける
- プロバイダが複数ある
- auスマホにセット割引あり
WiMAXには、自宅で使い用のホームルーター型と、外へも持ち運べるポケット型の2種類のルーターがあります↓
両タイプの違いというと、ホームルーター型は持ち運べない代わりに「同時接続台数」のスペックが高めです。
なので、家で複数人で同時にネットを使ったり、スマホとタブレット・PS4など複数機器で通信するときにホームルーター型の方が耐性があります。
速度に関しては、どちらも機種(器)が違うだけで回線自体は同じなので体感的にそこまで違いはないです。
参考記事ホームルーターとモバイルルーターの違いって何?どちらがおすすめか?
3日10GB制限があるので、長時間のオンラインゲームはできない
先にも書きましたが、WiMAXには3日10GB制限(3日間で10GB以上使ったら速度制限ルール)があるため、長時間ゲームをするのには向いていません。
速度制限を受けると最大1Mbpsまで速度が落ちるので、オンラインゲームはかなりキツイです。
そう考えると、使い放題プランでも実質的に快適に使えるのは月100GB程度(30日計算)となります。
速度制限さえ受けなければ、基本的にゲームプレイは問題なくできます。
回線が混雑しやすい夜間に多少重くなることはありますが、モバイルWi-Fiであることを考えるとまぁ妥協できるレベルです。
とはいえ、3日で10GBまでしか使えないので土日休みで家にこもってゲームしようものなら終了ですし、何ならゲームをダウンロードしたりアップデートするだけで一気に10GB使うこともあります。
参考記事工事なしのホームルーターでオンラインゲームはできる?PS4やニンテンドースイッチで検証
WiMAXの速度は?
一応WiMAXの通信速度も計測してみました。
- 【ハイスピードモード(WiMAX回線で通信)】
下り21.7Mbps/上り1.05Mbps/Ping69ms - 【ハイスピードプラスエリアモード(エリアが広いau回線で通信)】
下り15.1Mbps/上り6.96Mbps/Ping69ms
下り速度でみると20Mbps前後くらいは出ているので、モバイルWi-Fiとしては普通です。ただ、ゲームプレイのサクサク感に影響するPing(応答速度)が69msとかなり高いのがネックですね。
Pingは数値が低いほど良く(サクサク動く)、オンラインゲームするなら50ms以下に抑えたいところ。先に紹介した「
サービス(WiMAX)自体は同じものですが、どこのプロバイダで契約するかによってほんの少し月額料金が変わったり、キャッシュバックが受けられたりします。
参考までに私のお勧めは以下のどちらかのプロバイダです
ドコを選べばいいか分からない人
信頼とサポートを優先するなら「
UQ WiMAX
……UQ WiMAXは、WiMAXサービスの運営元であり「本家」に当たります。キャッシュバック額などは少なくても1番信頼できるところで契約したいならUQ WiMAXを選びましょう。
安さを優先するなら「Broad WiMAX
……月額料金が一際安いのがBroad WiMAXです。キャッシュバックは高額な初期費用と相殺されるので戻ってくるお金はないのがネックですが、初期費用無料で月額最安なので最もお得感を味わいやすいプロバイダです。
【まとめ】人気ホームルーターのカンタン比較
最後に、SoftBank AirとWiMAXの比較ポイントを表にしてみました。
※スマホは横スクロール可
ソフトバンクAir | WiMAX (HOME L02) | |
工事 | 不要 | 不要 |
月額料金 | 購入4880円/レンタル5370円 (割引きあり) |
4380円 (割引きあり) |
通信量上限 | なし | なし(実質100時間) |
速度制限 | 夜間に低下する場合があり | 3日間10GB制限あり |
携帯性 | コンセント必要、外出先は不可 | (ポケットサイズ型の機種あり) |
最大速度 | 962Mbps | 1000Mbps |
契約期間 | 2年間 | プロバイダによる(2年か3年) |
スマホ割引 | ソフトバンク「おうち割」 ワイモバイル「光セット割」 |
au「スマートバリュー」 |
公式サイト |
|
UQ WiMAX |
参考【自宅Wi-Fi】容量無制限で使えるおすすめのホームルーターは?
私は両方のホームルーターを使いましたが、結局オンラインゲームをするのにWiMAXだと3日10GB制限があるため厳しく、SoftBank Airの方を選びました。
ネットサーフィンや動画を見るくらいであれば、体感的にはどちらもそこまで変わらないと思います。動画であれば相当見続けるか、高画質で見ない限りは限り3日10GB制限も心配ないでしょう。
注意点として、どちらのホームルーターも利用可能エリアによって電波のキャッチ具合が結構変わってくるので、使い心地はエリアによって変わってきます。
エリア情報は各公式サイトで確認できるので、契約する前には必ずエリアを確認しておきましょう。