最近増えてきた、SIMフリーのデュアルSIMデュアルスタンバイ搭載スマホ。
元々2枚のSIMカードを入れられる(デュアルSIM)スマホはたくさんありましたが、待受けが同時にできるのが最近登場した「デュアルスタンバイ」の違いです。
つまりこれは、2台のスマホを1台に集約できることにつながります。
例えば、今までは仕事用と自分のプライベート用で2台スマホを持ち歩いていたという人も、デュアルSIMデュアルスタンバイのスマホなら1台の中で2つのスマホ(正確にはSIMカード)を使い分けることが可能になるわけです。
うまく使えば非常に便利かつ節約の工夫にもなるデュアルSIMデュアルスタンバイ。具体的にどんな利便性があるのかは知っておいて損はありません。
この記事では、デュアルSIMデュアルスタンバイ搭載スマホとは何か?という基本的な知識から、使い方やメリット・デメリットまで詳しく解説します。
デュアルSIMデュアルスタンバイとは?
2枚のSIMカードを1台で使える。ということは?
2枚のSIMカードを1台の端末で使えるのが、デュアルSIMデュアルスタンバイのスマホです。
これはスマホに2枚分のSIMカードスロットが搭載されていて、同時待ち受けをすることができるのが特徴です。
詳しい使い方は後に紹介しますが、SIMカードが2枚使えるということは、プライベート用と仕事用で別々のSIMを使ったり、通話用とネット用(データ通信用)で別のMVNOのSIM(あるいはキャリアとMVNOのSIM)を使い分けたりすることができます。
データ通信をしているときは基本的に片方のSIMカードが稼働します。そのためデータ通信の際は必要に応じて「SIM1/SIM2」を任意で切り替える必要がありますが、電話の待ち受けは同時に行えます。
それぞれのSIMの電話番号、どちらに電話がかかってきても自動でSIMを切り替えて着信してくれます。
au系のSIMは注意!
一つ、au系の格安SIMを使う場合は注意が必要です。
なぜなら、au回線のSIMはデュアルSIMデュアルスタンバイに対応していない場合が多いからです。
auが通話に使っている通信方式の「CDMA2000」は、海外で販売されているSIMフリースマホだと対応していない事が多いのが弱点。
一部対応しているスマホもありますが、将来的に機種変更することなども考えると、auよりもdocomo回線のSIMを契約しておいたほうが良いです。
ちなみにソフトバンク回線のY!mobileは周波数など基本的に問題ないので、デュアルSIMデュアルスタンバイのスマホでもバッチリ使える場合がほとんどです。
au回線を使っている人だけ注意しておきましょう。
デュアルSIMデュアルスタンバイスマホの便利な使い方例
続いて、デュアルSIMデュアルスタンバイスマホの便利な使い方を紹介します。
例1)プライベート用と仕事用で分ける

スマホを二台持ちしている人の多くは、プライベート用と仕事用で使い分ける用途で持っているかと思います。
そんな人はデュアルSIMデュアルスタンバイ対応のスマホにすることで、仕事用のSIMとプライベート用のSIMを一つの端末に入れることができます。充電の手間や2台持ち歩く不便さを解消できるので効率が良いですよ。
もちろん、各SIMごとに2つの電話番号を使い分けることができます。
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DMMモバイル
2台持ちのように、発信着信時に電話番号ごとに端末を変える手間がありません。一台のスマホ画面の中で「SIM1/SIM2」を切り替えられるので、めちゃくちゃ楽になります。
ただし、会社支給のスマホを使っている場合は、会社的にこの使い方がOKかどうかは事前に探っておいたほうが良いかと。もしかしたら、何らかの事情でNGである可能性もありますよね。
例2)通話用とネット(データ通信)用で分ける
通話用のSIMと、ネット用のSIMを別々に用意するのも節約につながります。 かけ放題のSIMやデータ容量無制限のSIMなど、それぞれに特化したSIMが選べますからね。
例えば、通話用のSIMにはキャリアのカケホーダイを契約したガラケーSIMを使い、データ通信は最安水準のDMM mobileの5GBプランを使うなど。こう工夫すれば、ただキャリアプランに入っているよりずっとスマホ代を安くできます。
ただしFOMAのSIMはLTE端末では使用できません。
そのため、ガラケーの契約をしたSIMカードを使うならソフトバンクがベストとなります。
ソフトバンクのケータイ用スマ放題(かけ放題)は、2年縛りで2500円。これにDMM mobileの5GBプラン(1210円)を組み合わせると、3710円です。
もしもdocomoで5GBプランを契約すれば、カケホーダイ2700円+SPモード300円+5GBのデータMパック5000円で合計8000円になります。
キャリアのかけ放題SIM(通話用)と格安SIM(ネット用)を使い分けた場合
ソフトバンクスマ放題2500円 + DMMmobile5GBプラン1210円
=合計3710円
docomoの5GBプランの場合
カケホーダイ2700円+SPモード300円+5GBのデータMパック5000円
=合計8000円
つまり、通話用とデータ用に分ければ半額に抑えられるわけです。
さらにもう一つのメリットは、一方のSIMの通信量を使い切ってしまった場合に、もう一方のSIMが使えるという点です。
万が一、通話用のSIMの通信量を使い切って低速化してしまっても、もう片方のSIMで高速通信ができるので安心ですよね。
低速化して不便な状態のSIMを無理やり使い続ける必要がない。これは素晴らしいことです。
2枚のSIMを合算して自分にピッタリのデータ容量を使える
格安SIMはMVNOごとに料金もプランもバラバラです。中途半端な容量のプランはそうありません。
例えば、自分が1ヶ月に使うデータ容量が約13GBだとします。
本当なら13GBプランがあれば良いのですが、そんな半端なプランはないので、15GBプランを契約するしかないでしょう。となると、余る2GB分の無用な料金がかかってくるわけです。
しかし、そんなとき2枚のSIMが使えたら?
10GBプランのSIMと3GBプランのSIMを組み合わせて、13GBのスマホを持つことができるのです。
DMM mobileで10GB、mineoで3GBのSIMを契約すればピッタリですね。このように、必要な分の通信量が半端なときにもデュアルSIMデュアルスタンバイは便利です。
超大容量が欲しい場合にも2枚を合算して作り出すことができます。
DMM mobileの10GBと20GBの2枚を搭載すれば30GBになりますし、20GBプランを契約するなら10GB+10GBの2枚にした方が安上がりになったりもします。
このように、工夫次第でどうにでもカスタマイズでき、かつ上手くやれば節約にも繋がるのがデュアルSIMのメリットです。
SIMカードが余っている人にもおすすめ
あまり多くはないかもしれませんが、端末の数よりSIMカードの方が多い人にもデュアルSIMデュアルスタンバイはおすすめです。
例えばキャンペーンが行われていて端末が安く買えたり、キャッシュバックがあったり。あるいはお試しプランが無料で使えたからつい契約してしまった、といった理由でなんとなく契約した格安SIMがある場合です。
デュアルSIMデュアルスタンバイのスマホを持っていれば、無駄にせずに済みますよ。
デュアルSIMデュアルスタンバイのメリットデメリットまとめ
以上のように、デュアルSIMデュアルスタンバイにはメリットもありますし、反対にデメリットもないわけではありません。
ざっくりとまとめてみます。
メリットは?
上記で紹介してきたように、色々な使い分けができるのでとにかく利便性が高まります。工夫次第では節約にも繋がります。
また2台のスマホを持ち歩く必要もなく、結果的に2台分の充電をする必要もないので効率も良いですよね。ポケットやカバンの中身も少なくなって身軽になります。
余った端末が必要なければ売却することで、その分月額料金に回すこともできます。
デメリット
デメリットは、2枚のSIMを1つの端末で使うためバッテリー消費が増える可能性があることでしょう。とはいえ、これは大きな差ではないのでそこまで気にすることはありません。
また、2枚のSIMを1台で使うため、もし端末を紛失したり壊したりしたときに2倍困ることにもなります。この点は自己責任ですが、リスクはあがりますね。
そして何より、デュアルSIMデュアルスタンバイはスマホ玄人向けです。一般人にはそうそう使いこなせないでしょう。SIMカードと端末の相性の確認すらちょっと面倒で分からない人が多いと思います。
「いや、そこまでしてスマホに効率化求めてないし……」
と思うのが大多数の一般人だと思います。そんな人は無理に2枚のSIMを使いこなそうとする必要はありません。
デュアルSIMデュアルスタンバイ搭載スマホのおすすめは?
最後に、デュアルSIMデュアルスタンバイ搭載スマホのおすすめですが、比較的安く買えて、なおかつスペックも十分なZenfone3ですね。
新発売Zenfone3
海外では既に販売されていたものの、日本ではまだまだ新発売の端末であるZenfone3。
メモリ3GB、ストレージ容量32GB。CPUにはSnapdragon 625を搭載していてゲームもある程度プレイ可能なスペックであるZenfone3。
ハイレゾ音源の再生にも対応していて、フルHDの液晶も搭載。至れり尽くせりの端末です。
そんなZenfone3は、デュアルSIMデュアルスタンバイに対応しています。一つのスロットはマイクロSIM、もう一つのスロットはマイクロSIMとナノSIMが兼用となっています。
操作画面もデュアルSIM向けに作られており、直感的に分かりやすいです。
画像
楽天モバイル
電話をかけるとき、SMSを送受信するときも、画面上の「SIM1|SIM2」で簡単に切り替えることができます。使い分け自体はスマホ初心者でも難しくありません。
Zenfone3はどこのMVNOで購入できる?
Zenfone3は取り扱っているMVNOが豊富で、ざっとこれだけあります▼▼
- IIJmio
- DMM mobile
- BIGLOBE SIM
- OCNモバイルONE
- mineo
- NifMo
- 楽天モバイル
- UQ mobile
- U-mobile
- nuroモバイル
- LINEモバイル
この中でも安く購入できるのは楽天モバイルです。
セール中なので税別32800円で購入可能、初期費用を考慮しても35800円。税込みで38664円程度になります。
まず本体をセールで購入し、楽天モバイルが使いやすければそのまま楽天モバイルを、合わなければ他の格安SIMを契約して使ってみると良いですね。
もっと詳しく比較したいという人は、下記記事も参考に。
まとめ
デュアルSIMデュアルスタンバイ搭載スマホの登場により、「2台持ち」は過去のものとなりました。
もちろんおサイフケータイなど端末の機能の関係で2台持ちをすることはあるでしょう。しかし2枚のSIMカードを使うだけなら、デュアルSIMデュアルスタンバイのスマホを購入すればOKです。
自分の用途に合っていたら、デュアルSIMデュアルスタンバイに対応したスマホを購入してみてはどうでしょうか。