自宅でネット回線の開通工事ができない人や、したくない人にとってメリットが大きいのが”工事不要”の置くだけWi-Fiと呼ばれるタイプのネット回線です。
コンセントに挿すだけでネットが使えるという手軽さの反面、心配なのが、
「通信制限ってあるの?」
という問題です。
通信制限とは、通信量の制限だったり速度制限だったりのことですね。
最初に言っておくと、置くだけWi-Fiは工事を必要としない分、スマホと同じように基地局からの電波を受信して仕組みのWi-Fiなため、
置くだけWi-Fiには何かしらの制限は存在します。
完全に無制限で使い放題の置くだけWi-Fiは存在しません。
そこで今回は、置くだけWi-Fiの代表選手である
- ソフトバンクの「SoftBank Air(ソフトバンクエアー)」
- UQコミュニケーションズ(au系列)の「UQ WiMAX(Home L02)」
この2つの通信制限事情について詳しく紹介していきたいと思います。
置くだけWi-Fiの特徴
SoftBank Air(→公式HP)
……ソフトバンクが提供している置くだけWi-Fi。工事は不要、コンセントに挿して電源ONすればすぐにネットが使える。通信量無制限で使い放題だが夜間に速度制限あり。- WiMAX(→UQ WiMAX公式HP)
……au系列のUQ WiMAXが提供しているモバイルWi-Fi。コンセントに挿して使うホームルーター型(置くだけWi-Fi)もあれば、外へ持ち運ぶこともできるポケットサイズのルーターもあり。3日で10GB制限あり。
SoftBankの置くだけWi-Fiは、通信量の制限はないが夜間に速度制限あり
まずはソフトバンクが提供している置くだけWi-Fi「
ちなみにSoftBank Airは、ソフトバンクユーザーだけでなくauやドコモ利用者でも契約可能です。
ただ、ソフトバンク/ワイモバイルのスマホ利用者だとスマホセット割引で毎月のスマホ代が1000〜2000円安くなるので超お得になります。
先にソフトバンクエアーの特徴を簡単にまとめておくと以下の通り。
SoftBank Airの特徴
- 回線工事が不要!コンセントに挿して電源ONするだけでネットが使える
- 通信量の制限はなく使い放題
- ただし、回線が混雑した際に速度制限がかかる場合がある
- 通信速度は利用エリアと通信環境に大きく左右される(私も使っていますが、私の環境では動画もオンラインゲームもほぼ問題なくできるレベル)
- 外への持ち運びは不可能。なので「自宅のみ」で使う前提。
SoftBank Airの通信容量は無制限で使い放題
SoftBank Airのプランでは、月20GBプランみたいな容量制限のあるプランはありません。容量無制限の使い放題のプランのみです。
なので、毎月の通信量を気にしながらネットしなきゃいけない心配はないので安心しましょう。
SoftBank Airは夜間に速度制限がある
容量の制限は存在しないものの、速度制限は存在します。
公式サイトでは下記のように明記されています。
ご利用の集中する時間帯(夜間など)は、サービス安定提供にともなう速度制限のため、通信速度が低下する場合があります。
動画やファイル交換ソフトなどをご利用の場合は速度が低下する場合があります。
「○GB使ったら速度制限」という一律ルールではなく、混雑したら「低下する”場合がある”」というルール。
ただ実際に利用している私から言わせれば、夜間(20〜21時以降)はほぼ速度が制限されると言っていいです。
実際のSoftBank Airの時間帯別の速度を見てみましょう↓
<朝8時>
<昼12時>
<夕方17時>
<夜20時>
- 【朝8時】下り83.6Mbps/上り6.02Mbps/Ping31ms
- 【昼12時】下り45.8Mbps/上り6.89Mbps/Ping28ms
- 【夕方17時】下り98.1Mbps/上り7.38Mbps/Ping29ms
- 【夜20時】下り9.52Mbps/上り7.43Mbps/Ping33ms
速度テストの数値は日によって結構幅が出るのですが、平均すると大体は
- 朝〜夕方:下り30〜80Mbps
- 夜(21時以降):下り8〜15Mbps
くらいの範囲に収まるケースがほとんどです。
ご覧のように、朝〜夕方までは置くだけWi-Fiにしてはなかなか速い速度が出ていますが、夜21時くらいからガクンと速度が下がっているのが分かります。これが速度制限ですね。
次で紹介するWiMAXや他の工事不要Wi-Fiは、速度制限がかかると最大でも下り1Mbps以下まで制限されます。
それと比較すると、制限されても下り10Mbps前後でるSoftBank Airはかなりゆるくて助かっています。
参考記事SoftBank Airは夜に速度低下しやすい?時間帯による速度変化と夜間の使用感をレビュー
動画視聴やオンラインゲームも基本的には普通にできる
上記のSoftbank Airの速度テストの数値は、たしかに下り100Mbps以上でる光回線(SoftBank光)に比べるとSoftBank Airの通信速度は遅いです。
しかし実際にSoftBank Airを利用している私の体感的に、このくらい通信速度が出せればネットをしていて困ることはそうありません。
ネットサーフィンはもちろん、YouTubeで動画を見たり、AmazonプライムビデオやHulu(フールー)
PS4やニンテンドースイッチなどオンラインゲームについても、基本的には普通にできています。
オンラインゲームを快適にプレイするには通信速度以外にも、応答速度を示す「Ping」という数値が重要になります。このPing値は数値が低いほど良いのですが、目安は以下の感じ↓
Ping値の目安
- Ping100〜:ゲームの快適プレイは不可能
- Ping50〜100:動きがもたつき厳しい
- Ping20〜40:普通くらい
- Ping10以下:とても快適
※あくまで目安です。
SoftBank Airは上記の速度テストで示した通り、大体Ping20〜30台に収まるので応答速度もそれなりに優秀です。
参考記事SoftBank AirのPing値(応答速度)ってどれくらい?実際に測定してみた【PS4・スイッチのゲーム使用感
実際にプレイして確かめました。
人気のスプラトゥーンやモンハン、ジャンルはFPSから格ゲー、機種はPS4からニンテンドースイッチまであらゆるゲームを実際にプレイしてみた結果、まとめると以下のような感じですね。
ポイント
- ほとんどゲームは問題なく普通にプレイできた
- 格ゲーはオンライン対戦になるとラグが発生することがある
- FPSはタイトルによっては重くなる(バトルフィールド1が重かった)
- ゲームのアップデートやダウンロードは時間がかかる
基本的にほとんどのゲームはSoftBank Air回線でも普通にプレイできています。夜間に速度低下を受けた状態でも許容範囲で、わりと普通にプレイできます。
ラグの発生や重さが気になったのは、検証したタイトルの中では格ゲー(ストリートファイター30thアニバーサリーコレクション検証記事)のオンライン対戦時とバトルフィールド1(FPS検証記事)くらいでした。
格ゲーのオンライン対戦は相手側の通信レベルも影響してくるので検証が難しいのですが、一瞬のラグが命取りになるので格ゲーオンライン対戦だけは厳しいイメージです。
ここでは結果だけ書きましたが、ゲーム検証についてもっと詳しくは下記のまとめ記事を書いたので、参考にしてください。
WiMAXの置くだけWi-Fiは3日10GB制限がある
続いて、au系列のUQコミュニケーションズが提供するWiMAX(ワイマックス)です。
WiMAXというと持ち運びできるポケット型Wi-Fiが人気ですが、自宅で使う用の置くだけWi-Fi型のルーターもあります(上記はHOME02という機種)。
WiMAXの特徴をまとめてみると次の通り。
WiMAXの特徴
- ホームルーター型とポケット型の2種類ある(ポケット型は外へ持ち運べる)
- 通信量無制限の「ギガ放題プラン」あるが、3日10GBの速度制限あり
- 通信速度はエリアによって影響を受ける
- プロバイダが複数ある
- auスマホにセット割引あり
通信量は無制限のギガ放題
WiMAXもギガ放題プランがあるので、通信量の上限はありません。
もはや今どきのWi-Fiサービスで通信量無制限のプランは当たり前になっています。
3日10GBの速度制限があり!実質月100GB程度が上限?
WiMAXの一番の難点が、俗にいう3日10GB制限です。
3日間で10GB以上使うと、翌日18時頃~翌々日2時頃にかけて最大1Mbps以下まで速度が制限されます。
1Mbpsレベルの制限速度だと、YouTube動画を見るのもストレスがたまるレベルでしょう。オンラインゲームはまず厳しいと思っていいです。
土日でゲームしようものなら2日間で10GB使ってしまうし、なんならゲーム1本ダウンロードしただけで10GB消費してジエンドになります。
つまり私のようなゲーマーには無理ゲーです。
つまり3日10GB使えないと考えると、ギガ放題とはいえど実質的には月100GBくらいが快適に使える上限と言えそうです。
速度制限を受けなければ、ネット・動画はできる速度が出るがオンラインゲームは少し重い
私が以前に使っていたWiMAXで通信速度を測ったものがこちら↓
- ハイスピードモード(WiMAX回線で通信)
→下り21.7Mbps/上り1.05Mbps/Ping68ms - ハイスピードエリアモード(au回線で通信=エリア広め)
→下り15.1Mbps/上り6.96Mbps/Ping69ms
この程度の速度が出れば、オンラインゲームはちょっと心配ですが(後述しますがPing値が悪い)、WEBサイトを閲覧したり動画を見るくらいなら問題なくできます。
あくまで私の体感ですが、オンラインゲームに関してはSoftBank Airに比べるとWiMAXの方が重さを感じることが多いですね。
オンラインゲームのサクサク快適性には応答速度を示す「Ping」という数値が重要なのですが、WiMAXは上記のスピードテストでPing値が68〜69msとやや高いです。
Ping値の目安
- Ping100〜:ゲームの快適プレイは不可能
- Ping50〜100:動きがもたつき厳しい
- Ping20〜40:普通くらい
- Ping10以下:とても快適
※あくまで目安です。
Ping値は数値が低いほどサクサク動きます。SoftBank AirでPing値は20〜30台くらいなので、WiMAXの70弱は意外と大きな差があります。
このPing値の差が、WiMAXの方がオンラインゲームで動作が重くなる原因かと考えられます。
また繰り返しになりますが、ゲームのダウンロードやアップデートをすると10GBなどすぐに超えてしまうので、ダウンロードしただけで速度制限がかかったりします。
なので私自身使ってみた結論として、WiMAXは3日10GB制限があり、制限速度ではオンラインゲームはかなり厳しいため、ゲームやりたいならおすすめはしにくいです。
まとめ:人気置くだけWiFiのカンタン比較
最後に、SoftBank AirとWiMAXの比較ポイントを表にしてみました。
※スマホは横スクロール可
ソフトバンクAir | WiMAX (HOME L02) | |
工事 | 不要 | 不要 |
月額料金 | 購入4880円/レンタル5370円 (割引きあり) |
4380円 (割引きあり) |
通信量上限 | なし | なし(実質100時間) |
速度制限 | 夜間に低下する場合があり | 3日間10GB制限あり |
携帯性 | コンセント必要、外出先は不可 | (ポケットサイズ型の機種あり) |
最大速度 | 962Mbps | 1000Mbps |
契約期間 | 2年間 | プロバイダによる(2年か3年) |
スマホ割引 | ソフトバンク「おうち割」 ワイモバイル「光セット割」 |
au「スマートバリュー」 |
公式サイト |
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UQ WiMAX |
参考【自宅Wi-Fi】容量無制限で使えるおすすめのホームルーターは?
私は両方とも利用経験がありますが、結局オンラインゲームをするのにWiMAXだと3日10GB制限があるため厳しく、私は現在のSoftBank Airの方を選びました。
ネットサーフィンや動画を見るくらいであれば、体感的にはどちらもそこまで変わらないと思います。動画であれば相当見続けるか、高画質で見ない限りは限り3日10GB制限も心配ないでしょう。
注意点として、どちらのホームルーターも利用可能エリアによって電波のキャッチ具合が結構変わってくるので、使い心地はエリアによって変わってきます。
エリア情報は各公式サイトで確認できるので、契約する前には必ずエリアを確認しておきましょう。