「工事なし!」「コンセントに挿すだけ!」「置くだけWi-Fi」などとアピールされるホームルーターと呼ばれるタイプのWi-Fiが近年人気を集めています。
”工事なしで使える”というととても聞こえがいいですが、
ホームルーターと光回線の違いを理解していますか?
ホームルーターと光回線は全く違います。メリットデメリットが全然違います。
”工事なしの光回線”だと思ってホームルーターを契約すると痛い目にあうこともあるので注意が必要です。
光回線「SoftBank光」
ホームルーター「SoftBank Air」
私が自宅と実家で実際に使っている、ソフトバンクの光回線「SoftBank光 」とホームルーター「SoftBank Air(ソフトバンクエアー)」です。
ホームルーターと光回線の大きな違いは以下の3つ。
- 開通工事の有無
- 通信速度(速度制限の有無)
- 繋がりやすさ
違いの内容は下記の通りです。
ホームルーター | 光回線 | |
工事の有無 | 不要 | 必要 |
通信速度 | 下り10Mbps〜100Mbps未満 | 下り100Mbps以上 |
速度制限 | 基本的にあり | なし |
繋がりやすさ | エリアによって安定度が異なる | 安定している |
下記で、ホームルーターと光回線の違いをそれぞれ詳しく説明していきます!
違い①:開通工事の有無
光回線は工事が必要
光回線は開通工事が必要です。
しっかり工事して屋内まで回線を引くので速度や安定度は最も高いネット回線である一方、工事の手間がかかるだけでなく、賃貸物件だと開通工事を禁止しているアパートなども多く、光回線を引きたくても引けない人が多いのがデメリットです。
ホームルーターは工事が必要ない
こうした工事できない物件に住んでいる人や、引越しや転勤が多くていちいち開通工事をしてネット回線を契約するのが面倒すぎる人に人気が高まったのが、工事が必要ないホームルーターです。
こちらは私が使っている
引越しや転勤の際でも、持ち運んでコンセントに挿せばそのまま使えます(サービスによって住所変更の手続きは必要)。引っ越すごとに開通工事する光回線に比べたら、圧倒的にラクでしょう。
関連記事ホームルーターのメリット・デメリットは何なの?実際の利用者がわかりやすくまとめる
違い②:通信速度の差
ネットをする上で一番重要な通信速度についてですが、
光回線の方が断然早いです。
しっかり回線工事をして屋内まで回線を引く光回線に対して、ホームルーターはスマホと同じように基地局からの電波をキャッチして通信する仕組みです。いわばスマホと同じ。
このような仕組み上、しっかり工事して線をつなぐ光回線に、無線電波をキャッチするだけのホームルーターが速度でかなうわけありません。
では、実際にどれくらい速度差があるのか?
私が実際に速度テストしたソフトバンクの光回線「SoftBank光 」とホームルーター「
光回線(ソフトバンク光の場合)は100Mbps以上の高速かつ速度制限なし!
まずは工事をして設置する光回線「SoftBank光 」の速度を見てみます。
Wi-Fi接続(無線)と、LANケーブルで繋いで有線接続した時と2通りでテストしました。
Wi-Fi接続の速度
有線接続の速度
有線接続で別の速度テストサイト計測
ご覧の通り、基本的に下り100Mbps以上の速度が出ており、文句なしの高速といえます。
このレベルの速度が出れば、ネットをする上で困ることはまずありません。
ネットサーフィンしたり動画をみたり、あるいはPS4やニンテンドースイッチでオンラインゲームをしても余裕でサクサク遊べます。
もちろん、速度制限や通信制限もありません。
ただし、いくら光回線といえど全国どこでもどの家でも同じ速度が出るわけではないので、あくまでこの速度は私の実家で出ている速度だと言うことは注意書きしておきます
SoftBank光の速度については下記記事でさらに詳しく解説しています↓
ホームルーター(SoftBank Airの場合)は必要十分な通信速度だが、速度制限あり
続いては、同じくソフトバンクのホームルーター「
SoftBank Airは時間帯によっても速度が変化しやすいため、朝〜夜の時間帯ごとに速度計測しました。
<朝8時>
<昼12時>
<夕方17時>
<夜20時>
- 【朝8時】:下り71.8Mbps/上り9.67Mbps/Ping28ms
- 【昼12時】:下り85.0Mbps/上り9.01Mbps/Ping29ms
- 【夕方17時】:下り68.1Mbps/上り7.67Mbps/Ping29ms
- 【夜20時】:下り8.13Mbps/上り8.09Mbps/Ping28ms
ご覧の通り、朝から夕方までは必要十分な速度が出ています。
下り100Mbps以上でる光回線に比べるとやはり劣りますが、下り数十Mbpsも出ればネットを使う上では問題ないですし体感的な違いは気にならないレベルです。
SoftBank Airは夜間から(大体20時くらいから)速度制限によって遅くなりやすいので、夜20時になると下り9Mbpsまで下がっていますが、それでも下り9Mbpsも出ればネットサーフィンはもちろん、YouTubeをみたりNetflixで動画を見ることもできます。
オンラインゲームについては、私の自宅だとほとんど問題なくできています。が、ゲームによっては多少のラグが出たりするのは受け入れる必要があるかな・・・という感じですね。
ホームルーターは基本的に速度制限があります。
制限ルールはサービスによって異なります。例えば人気のホームルーター「SoftBank Air(ソフトバンクエアー)」と「WiMAX(ワイマックス)」だと以下の通り。
ホームルーターの速度制限
- SoftBank Air:
→夜間に制限する場合あり/下り5〜10Mbps程度まで下がる(一律ルールなし) - WiMAX:
→3日で10GB以上使ったら最大1Mbpsまで制限(3日10GBルール)
SoftBank Airはまだ制限が緩いですが、WiMAXや多くのモバイルWi-Fi系サービスには俗にいう「3日10GB制限」があります。
3日で10GB以上使うと使い物にならなくなるので、個人的には実質「使い放題」とはとても言えません。
このように、とくに3日10GB制限のあるホームルーターは光回線と違って「容量気にせず使い放題」とは言えないので注意が必要です。
関連記事SoftBank Airに通信制限はあるの?実際の使い心地を利用者がレビュー
違い③:繋がりやすさ(通信の安定性)
光回線は常時安定した通信ができる
光回線は工事して屋内まで線を引いてくるので、基本的には常時安定した通信ができます。利用するエリアだったり通信環境にもさほど左右されません。
通信の安定度という意味でも、やはり光回線が最強なのは間違い無いです。
ホームルーターは利用エリアによって通信速度・安定度が変わる
対してホームルーターは、利用するエリア(地域)によって速度や安定度が変わるという繊細な性質があります。
スマホと同じく基地局の電波をキャッチして使うWi-Fiなので、スマホ同様に場所によって電波が弱ったり遮断されたりすることも・・・。
- 基地局との位置関係
- 周辺の電波遮蔽物の有無(高層の建物など)
- 同一エリアのユーザー数(多いほど回線が混みやすい)
これらの要素に、ホームルーターの速度や安定度は影響を受けます。
エリアによっては、サービスの提供エリア圏外となり契約できないケースもあります。
ホームルーターの公式サイトには、エリア情報を確認できるページがあります。
例えばSoftBank Airでは、
このように、各県〜各市町村というレベルまで細かくエリアが細分化され、それぞれのエリアの最大速度が記載されています。
結論を言うと、エリア情報に載っていない市町村に住んでいる場合はホームルーターは諦めた方がいいです。ゲームはおろか、ネットサーフィンすらストレスが溜まるレベルの可能性があります。
参考工事なしのホームルーターは通信速度が遅い?実際に人気ルーターの速度を調べてみた
ホームルーター/光回線、それぞれおすすめな人は?
開通工事ができる人は光回線に越したことはない
まずはっきり言っておくと、開通工事ができるなら光回線にしておくに越したことはないです。
なぜなら、「工事が必要」という一点以外に光回線にデメリットがないからです。
光回線であればオンラインゲームも快適にできますし、速度で心配することはほとんどないでしょう。ただ開通工事が面倒。この1点をクリアできる人は光回線がお勧めです。
光回線サービスも色々ありますが、よく分からなかったりこだわりがなければ、お使いのスマホキャリアの光回線を契約しておけばOKです。
近年は光回線サービスもネット・動画視聴・ゲームするくらいなら品質にさして差はないです。スマホキャリアの光回線にしておけばセット割でスマホ代が割引になるので、そのぶんお得というわけですね。
スマホ | 光回線 | スマホのセット割引額 |
ドコモ | ドコモ光(公式HP) |
100〜3500円 (1回線、シェアパックに適用で家族全員割引可) |
au | auひかり(公式HP) | 最大2000円×10回線 |
ソフトバンク | SoftBank光(公式HP) | 最大1000円×10回線 |
回線工事を避けたい人はホームルーターしかない
ホームルーターがおすすめな人というのはシンプルに、回線工事ができない・したくない理由がある人です。
理由は色々あるかと思います。
- 引越し・転勤が多い
- 物件の事情で工事ができない
- 団地など集合住宅なので工事できない
- 工事の際に業者を家に入れるのが嫌だ
こういう事情をお持ちの人は、光回線が引けないのでホームルーターに頼るしかないです。
おすすめのホームルーターは次を参考にどうぞ。
容量無制限でおすすめの置くだけWi-Fi・ホームルーターを2つ紹介!
光回線との違いを確認したところで、私がおすすめする二大人気のホームルーターを紹介しておきます。
ソフトバンクの「SoftBank Air(ソフトバンクエアー)」と、UQコミュニケーションズ(au系列)の「UQ WiMAX(Home L02)」です。
各ホームルーターの特徴
SoftBank Air(→公式HP)
……ソフトバンクが提供しているホームルーター。工事は不要、コンセントに挿して電源ONすればすぐにネットが使える。通信量無制限で使い放題。- WiMAX(→UQ WiMAX公式HP)
……au系列のUQ WiMAXが提供しているモバイルWi-Fi。コンセントに挿して使うホームルーター型もあれば、外へ持ち運ぶこともできるポケットサイズのルーターもあり。3日で10GB制限あり。
SoftBank Airはまさに今わたしが使っている置くだけWi-Fiですね。
WiMAXはホームルーター型のHome L02ではないものの、ポケット型ルーターは何度も使っているので使い心地は大体把握しています。
3日10GB制限なしで使い放題のホームルーター「 SoftBank Air(ソフトバンクエアー)」
あえてどちらかをおすすめするなら、私が実際に選んで使っている
先に言っておきますが、ソフトバンクユーザーだけでなくauやドコモ利用者でも契約可能です。ただ、ソフトバンク/ワイモバイルのスマホ利用者だとスマホセット割引で毎月のスマホ代が1000〜2000円安くなるので超お得になります。
ソフトバンクエアーの特徴は以下の通り。
SoftBank Airの特徴
- 回線工事が不要!コンセントに挿して電源ONするだけでネットが使える
- 通信量の制限はなく使い放題
- ただし、回線が混雑した際に速度制限がかかる場合がある(3日10GB制限はない)
- 通信速度は利用エリアと通信環境に大きく左右される(私も使っていますが、私の環境では動画もオンラインゲームもほぼ問題なくできるレベル)
- 外への持ち運びは不可能。なので「自宅のみ」で使う前提。
私が他のホームルーターよりSoftBank Airを選んだ理由として大きいのは、
- 私のエリアでは速度がある程度出ること(動画やオンラインゲームも大体問題なし)
- 3日10GB制限がなく、夜間の速度制限も緩いこと
この2点がとても大きいです。
私はオンラインゲームを結構する方なので、3日10GB制限があるWi-Fiはさすがに厳しい。土日でゲームしたら10GBなんてすぐ超えちゃいますし、なんなら容量大きいゲームをダウンロードしたら瞬殺で速度制限食らっちゃいます。
3日10GB制限ありのWi-Fiは、速度制限時の1Mbps以下まで落ちるので、こうなるともうゲームどころか動画も厳しい。これを家のネット回線にするのはちょっと無理がある。
となると、3日10GB制限がなく、速度制限を夜間に受けても下り8〜10Mbpsくらいは出せるSoftBank Airがベストだったわけです。
SoftBank Airでオンラインゲームがちゃんとできるかは、いろいろなゲームで検証して下記記事でまとめているので参考にしてください↓
参考工事なしのWi-Fiホームルーターでオンラインゲームはできる?PS4やニンテンドースイッチで検証
購入した場合の利用料金
レンタルした場合の購入料金
レンタルした場合はキャンペーン割引が適用されない上、元の月額料金も購入プランより高いです。
購入プランは分割払いにすると36ヶ月分割になるのがネックですが、トータル料金でいうとお得になります。
リンク
SoftBank Air の契約期間は2年間(SoftBank Air の課金開始日の属する月を1ヵ月目として、24ヵ月目の末日まで)です。解約の申し出がない場合は、更に2年間を契約期間として更新します。契約期間満了の月以外で解約した場合、9,500円の解除料が必要です。
ホームルーターとポケット型があるWiMAX(ワイマックス)
ホームルーター型の最新機種は「HOME L02」というルーターで、SoftBank Airと同じようにコンセントに挿すだけで使えるようになります。
WiMAXの特徴をまとめてみると次の通り。
WiMAXの特徴
- ホームルーター型とポケット型の2種類ある(ポケット型は外へ持ち運べる)
- 通信量無制限の「ギガ放題プラン」あるが、3日10GBの速度制限あり
- 通信速度はエリアによって影響を受ける
- プロバイダが複数ある
- auスマホにセット割引あり
私が以前に使っていたポケット型ルーターで通信速度テストをしてみた結果がこちら↓
- ハイスピードモード
→下り21.7Mbps/上り1.05Mbps/Ping68ms - ハイスピードエリアモード
→下り15.1Mbps/上り6.96Mbps/Ping69ms
この程度の速度が出れば、ネットをする上ではまぁ問題ないレベルなのですが、
WiMAXはいかんせん3日10GB制限がキツいです。
正確にいうと、WiMAXは3日で10GB以上使うと最大1Mbpsまで速度制限がかかります。
3日で10GBまでしか使えないと、使い放題プランとは言っても実質的に1ヶ月約100GB上限みたいなものですからね・・・。
動画視聴くらいなら100GBあれば十分ですが、ヘビーゲーマーであれば確実に速度制限を食らうでしょう。
この点から、自宅用ネット回線でオンラインゲームをたっぷりしたいという理由で、私はWiMAXよりもSoftBank Airを選びました。
商品(WiMAX)自体は同じものですが、どこのプロバイダで契約するかによってほんの少し月額料金が変わったり、キャッシュバックが受けられたりします。
各プロバイダの月額料金とキャッシュバックを表にしてみました。
プロバイダ | 月額・キャッシュバック特典 |
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BIGLOBE WiMAX |
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※全てギガ放題プラン(通信量無制限)の料金です
繰り返しますが、商品(WiMAX)自体は同じもので「どこで契約するか」だけの話です。それでもどのプロバイダにするか決められない人は、下記の基準で選びましょう。
信頼とサポート力を優先するならUQ WiMAX
UQ WiMAXは、WiMAXサービスの運営元であり「本家」に当たります。auスマホをauショップで契約するようなものなので、契約するにしても1番安心と言えるでしょう。
キャッシュバック額などは少なくても1番信頼できるところで契約したいならUQ WiMAXを選びましょう。
月額料金の安さを優先するならBroad WiMAX
シンプルに月額料金が一際安いのがBroad WiMAXです。キャッシュバックは高額な初期費用と相殺されるので戻ってくるお金はないのがネックですが、初期費用無料で月額最安なので最もお得感を味わいやすいプロバイダです。
一番お得にWiMAXを契約したいならBroad WiMAXにしましょう。