事情により自宅に光回線が引けない。あるいは回線工事をするのが面倒だ。そんな人にとっては、工事不要で手軽にインターネット回線を用意できる無線のWi-Fiが候補になります。
この記事では、ソフトバンクが提供している2種類のWi-Fiサービス
- SoftBank Air
- PocketWi-Fi
について、どちらも利用経験のある私が徹底的に比較してみたいと思います。
それぞれ何が違うの?
通信速度はどうなの?
料金的にはどうなの?
それぞれ、どういう人におすすめなの?
という点を把握できるよう、わかりやすくまとめていきます。
先に言っておきますが、両サービスともソフトバンク利用者以外の人でも問題なく契約することができます。もちろん、ソフトバンクユーザーであれば月額割引があるので、もっとお得に使うことができておすすめです。
まずはサクッと!ソフトバンクAirとWiMAXのカンタン比較
左が「SoftBank Air」で、右が「PocketWi-Fi」です。
SoftBank Airはソフトバンクが提供する据え置き型のWi-Fiサービスであり、PocketWi-Fiはソフトバンク系列のワイモバイルが提供する持ち運び可能のモバイルWi-Fiサービスですね。
各公式サイトはこちら
公式HP SoftBank Air
公式HP ワイモバイル
ルーターの形状を見てわかるとおり、
- 自宅で使うか(SoftBank Air)
- 外出先にも持ち運んで使うか(PocketWi-Fi)
という用途面での大きな違いがあるサービスです。
まず一番の基本としてココを理解しておきましょう。
その上で、まずは簡単な比較で違いを見てみます。
※スマホは横スクロール可
ソフトバンクAir | PocketWi-Fi | |
工事 | 不要 | 不要 |
月額料金 | 購入4880円/レンタル5370円 (※24ヶ月間は1080円引き) |
4380円〜 |
通信量上限 | なし | なし(実質100時間) |
速度制限 | 夜間に低下する場合があり | 3日間10GB制限 |
携帯性 | コンセント必要、外出先は不可 | バッテリー充電、外出先で可能 |
下り最大速度 | 350Mbps | 612Mbps |
契約期間 | 2年間 | 3年 |
スマホ割引 | ソフトバンク「おうち割」 ワイモバイル「光セット割」 |
ソフトバンク「おうち割」 |
公式サイト | SoftBank Air | ワイモバイル |
どちらもスマホと同じモバイル回線を使用するサービスなので、回線の品質としては正直そこまで大差ありません(一概に「こっちの方が絶対いい!」と言えるほどの差はない)。
料金についてはシンプルに比較すればいいので置いておくとして、やはり一番気になるのは通信速度や速度制限の有無でしょう。一言でいえば「使い心地」の部分です。この点を次項で比較解説してみます。
また先に言っておきますが、両サービスともモバイル回線のサービスゆえ、通信の「速度」と「安定性」では、固定回線(光回線)にはどうしても劣ります。速度優先かつ回線工事ができるのであれば、ソフトバンクの光回線である「 SoftBank光 」にしておいた方が確実です。
公式HP SoftBank光
通信速度について比較|ネット、動画、ゲームなど使い心地は?
その前に!通信速度は「エリア」と「環境」に大きく影響される
SoftBank AirやPocketWi-Fiなど「モバイル回線」の通信速度を語る上で、知っておきたいこと。それは、モバイル回線の通信速度は利用する「エリア」と「環境」によって大きく変わるということです。
スマホでも、場所によって電波が弱くなったり圏外になったりしますよね。それと同じです。
モバイル回線は町が一つズレるだけでも速度が変わったりするくらい敏感です。また、周辺に電波を遮る高い建物が建っていたりなど「周辺環境」によっても大きく上下します。
そのためSoftBank Airなんかは、もし契約後に使えなかった場合、8日以内であれば無料キャンセルできるようになっています。
実際の通信速度をテスト!ネットサーフィン、動画、ゲームなどの使い心地
注意ポイント
繰り返しますが、モバイル回線サービスは利用エリアが違えば速度も変わってきます。
紹介する速度テスト結果も、あくまで「私のエリア・環境でテストした場合の速度」なので、参考程度にしてください。
SoftBank Airの通信速度と使い心地
まずは、SoftBank Airの通信速度をテストしてみます。
比較的、回線が混みやすい夜20時前に計測した速度がこちら↓
- 5G:下り51.2Mbps
- 2G:下り31.6Mbps
おおよそ下り30〜50Mbpsという速度が出ています。このくらいの速度が出ていれば、ネットサーフィンにストレスは感じません。
動画、例えばみなさんが一番利用するYouTubeであれば、通常のHD画質(720p)なら問題なく視聴できています。ただ、フルHD画質(1080p)だとやや厳しめ……ですね。とくに夜21時以降は回線混雑がMAXになって速度が弱くなるので。
PS4などのオンラインゲームについて、私は今スプラトゥーンにハマっていますが、有線接続することでストレスなしにできています。
SoftBank Airは、Airターミナルの裏にLANポートが付いているので、LANケーブルを繋ぐことで有線接続することもできます。
体感的に、無線Wi-Fiで通信するより有線で通信した方が速度は速くなるし安定度も上がります。
有線接続で速度テストしてみると、
およそ下り61Mbpsという優秀な数値です。
無線Wi-Fiだと下り30〜50Mbpsだったので、有線で直接繋ぐことで多少は速度が向上したことが分かります。
SoftBank Airのようなモバイル回線はオンラインゲームには本来向かないとされていますが、私がいま実際に使っている限りは普通にプレイできています。もちろんゲームソフトにもよりますが。
参考有線必須!SoftBank AirでオンラインゲームやPS4はできる?
詳細【レビュー検証】SoftBank Airは速度が遅い?評判が割れる理由
2Gと5Gってなに?
2G(2.4GHz)と5G(5GHz)は、SoftBank Airと各種デバイスを接続するのに使う周波数です。
2Gは一般的に広く使われる周波数で、古い機種から最新機種まで幅広いデバイスが対応しています。障害物に強い周波数ですが、通信速度は(5Gに比べると)遅め。
5Gは古い機種だと対応していないデバイスもありますが、2Gに比較して通信速度が速いというメリットがあります。そのぶん、障害物に弱い弱点があり。
PocketWi-Fiの通信速度と使い心地
続いて、ワイモバイルのPocketWi-Fiで通信速度テストしてみます。
PocketWi-Fiは機種が色々ありますが、私が利用していたのは「603HW」という機種です。PocketWi-Fiの中ではおすすめの機種です。
SoftBank Airと同じく、夜間の17時30分と21時で速度テストした結果がこちら。
- 17時半:下り15Mbps
- 21時:下り25Mbps
数値的にはSoftBank Airより遅めですが、まぁネットサーフィンには問題ない15〜25Mbpsくらいの速度がでます。
ちなみにPocketWi-Fiは何度か速度テストしていますが、毎回やや違う結果になります。とはいえ基本的に10〜30Mbpsの範囲に収まることがほとんどです。
動画視聴については、いつも快適に視聴できていました。SoftBank Airでは厳しめなYoutubeのフルHD画質(1080p)もイケます。そのほか、NetflixやAmazonプライムビデオで映画を見ても概ね問題無しでした。
動画視聴のレビューは下記記事を参照。
参考ワイモバイルのポケットWi-Fiで動画サービスは快適視聴できる?【Netflix/YouTube/Amazonプライムビデオで検証】
PS4などのオンラインゲームについては、下記のレビュー記事で「バトルフィールド」をプレイしてみたのですが、夕方までは比較的問題なくプレイできるものの、夜20時以降になるとやや動きが遅れはじめる感じでしたね。
FPSのような処理能力が必要な高度ゲームは、多少動きがカクカクしはじめる覚悟は必要です。
参考ワイモバイルのポケットWi-FiでPS4やオンラインゲームが快適プレイできるか検証してみた
また次項で説明しますが、PocketWi-Fiには3日で10GBまでという速度制限が存在します。
ゲームや動画を観まくっていると一瞬で10GB使って速度制限になるので、正直にいうとPocketWi-Fiはゲームや動画視聴には向いていません。
気になる速度制限について
SoftBank Airは一律の速度制限ルールはなし
SoftBank Airは、「○日で○GBまで!」のような一律の速度制限はありません。名目上は使い放題になります。
ただし公式サイトには、「回線が一定以上に混雑した場合には、一時的に速度を制限する”場合”がある」と明記されています。一律の制限はないけど、時と場合によって制限はある……ということですね。
公式HP
これは私が実際にSoftBank Airを利用していての体感ですが、やはり夜間21時以降に速度が抑えられることがあります。とくに、動画に接続する速度が低下しやすいような……?
とはいえ、いつも制限がくるわけでもないし、一律の制限ルールがないだけマシだと思っています。
PocketWi-Fiは3日10GBという速度制限あり!
ワイモバイルのポケットWi-Fiには明確な通信制限があります。
具体的に、直近3日間に10GB以上通信すると、18時~翌日1時まで速度が概ね1Mbpsに制限されてしまいます。
公式HP
1Mbpsはツラいです。Webページの閲覧(SNSやブログを読むなど)はギリできますが、動画やオンラインゲームは絶望的でしょう。
例えばPS4の場合、1つのゲームをダウンロードするだけでも10GBを軽くオーバーする場合も多々あります。格闘ゲームの「鉄拳7」は容量が41.6GBなので、一瞬で速度制限ですね。
3日で10GBまでなので、実質的に1ヶ月で約30GBまでしか使えないと同じ意味です。「使い放題」とは言えません。これがPocketWi-Fiの最大の弱点ですね。
SoftBank AirとポケットWiFiの月額料金をチェック!
SoftBank Airの月額料金
ソフトバンクAirの月額料金は、Airターミナルを「分割購入」するか「レンタル」するかで変わってきます。
Airターミナルを「分割購入」する場合
公式HP
購入する方がトータル金額は安いのですが、36回分割払いのみという縛りがあります。
ソフトバンクAirは2年契約ですが、分割購入すると3年間ターミナル代を支払い続けることになるので、2年で辞める場合はスッキリ終われないデメリットがあります。
Airターミナルを「レンタル」する場合
公式HP
レンタルはやや高くなりますが、スッパリ2年で契約満了にしたい場合は無難にレンタルを選んだ方が良いかと思います。
※現在、新規申込キャンペーン中です。
いま申し込めば24ヶ月間は毎月1000円程度安くなるので、検討中の人はお早めに申し込んでおきましょう(※キャンペーン終了時期は未定)。
料金プラン詳細
SoftBank Air の契約期間は2年間(SoftBank Air の課金開始日の属する月を1ヵ月目として、24ヵ月目の末日まで)です。解約の申し出がない場合は、更に2年間を契約期間として更新します。契約期間満了の月以外で解約した場合、9,500円の解除料が必要です。
PocketWiFiの月額料金
ポケットWi-Fiを使い放題プランで利用する場合は月額4380円以上かかります。
代表的な「Pocket WiFiプラン2」だと以下の通り。
月額料金 | |
Pocket WiFiプラン2 | 3696円 |
アドバンスオプション(使い放題) | 684円 |
本体代金 | 実質0円など |
合計 | 4380円~ |
ポケットWi-Fiは、通信料無制限(使い放題)で通信をするための「アドバンスオプション」料や本体代金がかかるため、月額料金は4380円からとなります。
本体代金は発売からしばらく経つと実質0円など安価になるので、安く契約したい方は実質0円など安価で買える機種を選びましょう。
またポケットWi-Fiの契約期間は基本的に3年間です。SoftBank Airの2年間より1年長めなので注意しましょう。
【総評】SoftBank AirとポケットWiFi、結局どのポイントで選べばいいのか?
自宅で使うのがメインならSoftBank Air
通信速度でいうと、体感的にはあまり変わらないものの、速度テストの数値だとSoftBank Airの方が上を行っています(あくまで私の環境では)。
加えてSoftBank Airは有線接続できるので、LANケーブルで直接繋げばもう少し通信速度アップ、安定性の向上が見込めます。
その利点を考えると、自宅で使うのがメインであればSoftBank Airの方がおすすめですね。
というより、やはりポケットWiFiは3日10GB制限があるだけで自宅のメインネット回線にはおすすめできません。その時点で、自宅ネット回線なら一律の制限がないSoftBank Air一択になります。
外出先に持ち運んで使いたいならポケットWiFi
ポケットWiFiの最大の特徴は、「ポケットサイズ」で持ち運びが可能なことです。私がPocketWiFiを使っていたのも、外出先のカフェやファミレスでネット作業をするためでした。
なので、外出先でもタブレットやPCでネットを使いたい人はPocketWiFi一択になります。SoftBank Airは外へは持ち運べないので。
ただし繰り返しますが、PocketWiFiは3日間で10GBまでという速度制限があります。「使い放題」とは言えないので、使い方を考える必要があります。
ちなみに、ワイモバイルのPocketWi-Fiは機種も豊富に揃っています。定期的に新しい機種が登場していたりもしますね。
使う回線はどれも同じなので機種は好みで選べばOKですが、一つおすすめするとすれば私が使っていた「603HW」は良いと思います。
603HWは「キャリアアグリゲーション」「4×4 MIMO」など、一言でいうと通信速度を加速化させる先端技術が搭載されており、一応公式サイトのキャッチコピーだと「超高速下り最大612Mbps!」と謳われています。
まぁこの記事で速度テストした通り、実際はそこまでの速度が出るわけではないのですが、一応1Mbpsでも早い速度を出すための工夫が施されていると思えば、速度重視なら603HWを選ぶといいかと思います。
まとめ
今回は、私が実際に利用した経験からSoftBank AirとPocketWiFiを比較してみました。具体的な速度数値なども出しましたが、最初に書いた通り「モバイル回線の通信品質は、各々のエリアや環境によって変わる」ことを理解しておきましょう。
今回の結果はあくまで私のエリア・環境で行った比較であり、違うエリアで使う人は全く違った感想を持つかもしれません。
そのため、判断基準はひとまず「自宅のメインネット回線に使うか」あるいは「外出先で使いたいか」という点で決めればいいでしょう。
もう一度、比較ポイント表を載せておきます▼▼
※スマホは横スクロール可
ソフトバンクAir | PocketWi-Fi | |
工事 | 不要 | 不要 |
月額料金 | 購入4880円/レンタル5370円 (※24ヶ月間は1080円引き) |
4380円〜 |
通信量上限 | なし | なし(実質100時間) |
速度制限 | 夜間に低下する場合があり | 3日間10GB制限 |
携帯性 | コンセント必要、外出先は不可 | バッテリー充電、外出先で可能 |
下り最大速度 | 350Mbps | 612Mbps |
契約期間 | 2年間 | 3年 |
スマホ割引 | ソフトバンク「おうち割」 ワイモバイル「光セット割」 |
ソフトバンク「おうち割」 |
公式サイト |
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- 自宅のメインネット回線に使いたいならソフトバンクAir
- 外出先でも使いたいならPocketWiFi