ワイモバイルが展開しているであるポケットWi-Fi(Pocket WiFi)は、外出先で仕事をするノマドワーカーや、自宅に光回線を引かない人の代用ネット回線として人気があります。
ただ、自宅ネット回線として使うなら気になるのは「通信速度」です。
普通にネットサーフィンするくらいなら何も問題ありませんが、PS4やオンラインゲームなどのヘビーユーザーは膨大な通信量を必要とするので通信速度は死活問題です。とくにポケットWi-Fiは光回線と違ってモバイル回線を使ったサービスなので、通信速度や安定感は固定の光回線に劣ります。
そこで、ワイモバイルのポケットWi-FiでPS4やオンラインゲームは果たしてプレイできるのか? 実際にポケットWi-Fiを契約している私が検証してみました。
先に結論から言っておくと、コアなゲーマーでなければポケットWi-Fiでも「そこそこ」満足できる速度が出ることは出るが……といった感じ。
詳しくはこの記事で実際のスピードテストとともに検証していきます。
公式サイト【Y!mobile】ワイモバイル オンラインストア
速度検証!ワイモバイルのポケットWi-Fi「603HW」でスピードテスト
今回は、私が実際に使っているワイモバイルのポケットWi-Fi「603HW」で速度検証します。603WH自体のレビュー記事も以下に書いているので、気になれば参照ください。
まずは、ポケットWi-Fi自体の通信速度がどの程度出るのかスピードテストしてみます。
速度テストの前提の話ですが、
まず、スピードテストは夕方6時台と夜8時台に分けて行いました。これは、ポケットWi-Fiが使うモバイル回線は利用者数の混雑状況に速度が大きく依存するものであり、ゲームプレイ人口が増える夕方〜夜間帯が一番混雑しやすい(=速度が遅くなりやすい)時間帯だからです
もう一つ、オンラインゲームでは通信速度(mbps)に加えて、「Ping」という数値が重要になります。
Pingは応答速度を示す数値であり、数値が小さいほど良いです。一般的にPingの数値が100msくらい高めだと、自分の操作と画面の動作がズレるなど不具合が出やすくなります。
PS4の速度チェックでは残念ながらPingを確認できないので、iPhone8でも同時にスピードテストをしてPingを調査しました。
というわけで、夕方6時と夜8時の速度検証結果を見ていきます。
夕方6時のスピードテスト結果
iPhoneで計測した速度数値です。下り18.1Mbps・上り7.69Mbps、Pingは80msという結果が出ました。これは、少なくともHD程度の動画再生やネットサーフィンなら問題なくこなせる速度です。
続いてPS4でも速度計測してみます。
PS4では下り24.0Mbps・上り3.3Mbpsでした。
数値はiPhoneと大幅に異なっていますが、iPhoneでのテストの直後に行っていて接続条件に違いはありません。速度テストはアプリによってかなり結果に違いが出るので、あくまで参考程度ですね。
実際にゲームプレイしてみた感想は後述でまとめます。
夜8時~8時30分のスピードテスト結果
続いて夜8時台です。学校や会社帰りのプライベートタイムで、オンラインゲームやネットサーフィンなどでネット接続が最も混雑しやすい時間帯です。
iPhoneでは下り18.7Mbps・上り6.61Mbpsの結果が出ました。これだけの速度が出れば基本的に問題ない水準で、さすがワイモバイルといったところ。
気になったのは、Pingの数値が117msと少し高くなっていることです。Ping数値が高いとオンラインゲームの動きなどが悪くなりやすいです。実際どうだったかは次で。
PS4でも速度計測してみましたが↓
下り29.5Mbpsと問題ない速度が出ています。モバイル回線はひどいと10Mbpsすら出ないことも多々あるので、やはりワイモバイルのウリである「高速通信」が発揮されている印象です。
ネットサーフィンや普通画質の動画くらいなら問題ない速度でしょう。ただ、問題はPS4などハイスペック要求のゲームです。
というわけで、実際にPS4をプレイしてみました。
ワイモバイルのポケットWi-FiでPS4のバトルフィールド4を遊んでみた
PS4版バトルフィールド4のオンライン対戦です。
バトルフィールド4はリアルタイムで動く他のユーザーと戦うFPSなので、回線速度やPingが不安定だと動作がカクカクしたり、動きが遅くなってしまったりして厄介です。
ポケットWi-Fiは有線接続に非対応
先に触れておきますが、ワイモバイルのポケットWi-Fiは有線LANでの接続に対応していません。
一般的に無線で電波を飛ばすWi-Fi機器でも、LANケーブルで直接繋いで「有線接続」にすることで通信の安定性を多少高めることができます。……が、ワイモバイルのPocketWi-Fiはそれが不可能です。
au系列のWiMAXではルーターをクレードルに装着すれば有線接続ができますが、ワイモバイルのポケットWi-Fiにはクレードルのオプションがなく、端末そのものにもLANポートがありません。
ちなみに、ライバル商品であるソフトバンクの
夕方6時台のゲームプレイ結果:回線速度、プレイ問題なし
夕方6時台にバトルフィールドを遊んでみたところ、とくにプレイしていて違和感を覚えることはありませんでした。操作性も問題なくサクサクで、キャラ動作がもっさりしてしまう場面はありません。
私は普段はPS4を光回線(
SoftBank光
ただ、私はそこまでコアなゲーマーでもないので、あくまでライトユーザー視点での「問題なし」という判断ですね。
これがガチゲーマーだと0.1秒以下の細かい部分で操作に遅延など感じる人もいるので、あくまで参考程度に。
夜8時台のゲームプレイ結果:少し操作の遅延が感じられた
夜8時台は、6時台に比べるとやや難点を感じる結果に……。
少しキャラの動きがガタガタしていて、ライトゲーマーの私でも若干気になるレベルです。あくまで「少々」なので大きな不満は生じていませんが、気になったか気にならなかったかと問われると「気になった」という感じ。
私は4年ほど前に、2+になる前のWiMAXを使ってオンラインゲームをしたことがあります。夜8時台のポケットWi-Fiを使ったオンライン対戦は、実測が平均10Mbps台である当時のWiMAX回線に近い感覚ですね。
夜8時台からはさすがに回線混雑しますね。私基準だと「やや気になる(が、我慢できる」レベルですが、
SoftBank光
PS4を使用したYoutubeでの動画再生はHD画質で問題なし
PS4はオンラインゲームだけでなく、YouTubeなどの動画アプリにも対応しています。動画再生機器として使っている方も多いと思います。
一応、Youtube動画も検証してみました。20時台にHD画質の動画(各5分程度)を見てみましたが、読み込みが途中で止まってしまうことは一切なく、至って快適でした。
やはり動画視聴レベルならワイモバイルのポケットWi-Fiでも十分快適な印象です。
【結論】ワイモバイルのポケットWi-FiでPS4のオンラインゲームをするなら多少の我慢が必要
もちろん操作性はゲームによって変わりますが、FPSのような高度なゲームだと夜の時間帯は「快適」とは正直言えない結果でした。やはりPing値が高いからか、動作にガタガタ感がでます。
ただ、夕方6時台までの混雑しづらい時間帯ではほぼほぼ光回線と変わらない快適感だったのは、個人的にかなり驚きでワイモバイルWi-Fiの底力を感じましたね。
とはいえ、やはり光回線には劣るので、やはりモバイル回線を使う以上は多少の我慢が必要です。
再度確認しておきたい点は2つ。
速度制限時はプレイ困難なので注意!
ワイモバイルのポケットWi-Fiには通信制限があります。具体的に、直近3日間に10GB以上通信していると、18時~翌日1時まで速度が概ね1Mbpsに制限されてしまいます。
今回のテストは速度制限がない状態で行いましたが、もし速度制限されて1Mbpsレベルまで下がったらゲームプレイは不可能と考えてOKです。
なので、ゲームをするにしても3日で10GB以内に抑えなければならず、これはヘビーユーザーからすればかなり無理難題な注文かもしれません。
もし光回線を引けない事情がある場合は、同じく工事なしで簡単導入できて一律の通信制限がない(※)
参考【速度制限】SoftBank Airは速度が遅い?評判が割れる理由|ソフトバンクエアー
※SoftBank Airの通信制限
工事不要の自宅用Wi-Fiの中では唯一、一律の通信制限がないのがSoftBank Airです。
しかし、通信制限が全くないわけではなく、「3日で10GB以上」など一律明確な制限ラインがないという意味であり、公式には「混雑状況が酷くなった場合には、速度制限する場合がある」と明記されています。この辺りを勘違いしないように。
※通信量の制限はありません。使い放題です。
公式
ゲームの追加データやソフトのダウンロードには不向き
ポケットWi-Fiは直近3日間に10GB以上使うと速度制限にかかってしまいます。
PS4の場合、1つのゲームをダウンロードするだけでも10GBを軽くオーバーする場合も多々あります。例えば格闘ゲームの「鉄拳7」は容量が41.6GBです。
さらにPS4では、ゲームを遊ぶために必要な追加データも平気で1GBや2GBなどの大容量になります。
つまりゲームをダウンロードすると3日制限で一発アウトになるので、この点も結構ツライです。
ワイモバイルのポケットWi-Fi・基本情報まとめ
最後に、ワイモバイルのポケットWi-Fiを契約する前に知っておきたい基本情報を簡単にまとめておきます。
ポケットWi-Fi(使い放題プラン)の月額料金や契約期間
ポケットWi-Fiを使い放題プランで利用する場合は月額4380円以上かかります。
代表的な「Pocket WiFiプラン2」だと以下の通り。
月額料金 | |
Pocket WiFiプラン2 | 3696円 |
アドバンスオプション(使い放題) | 684円 |
本体代金 | 実質0円など |
合計 | 4380円~ |
ポケットWi-Fiは、通信料無制限(使い放題)で通信をするための「アドバンスオプション」料や本体代金がかかるため、月額料金は4380円からとなります。
本体代金は発売からしばらく経つと実質0円など安価になるので、安く契約したい方は実質0円など安価で買える機種を選びましょう。
またポケットWi-Fiの契約期間は基本的に3年間です。WiMAXなら2年契約も選べますが、ポケットWi-Fiは3年と長めなので注意しましょう。
ポケットWi-Fi利用時は速度制限に注意!
前述しましたが、ワイモバイルのポケットWi-Fiは直近3日間に10GB以上通信していると「当日の18時~翌日1時」まで速度が概ね1Mbpsに制限されます。
「学校や会社から帰宅後にゲームをしたい」という方とちょうど合致する時間帯に速度制限が行われるので、使いすぎに注意しましょう。
ゲームソフトや追加データをダウンロードする場合は、数日間夜にオンラインゲームができなくなる覚悟も必要です。
機種は豊富に揃っている
ワイモバイルのPocketWi-Fiは機種も豊富に揃っています。定期的に新しい機種が登場していたりもしますね。
使う回線はどれも同じなので機種は好みで選べばOKですが、一つおすすめするとすれば私がいま使っている「603WH」は良いと思います。
603HWは「キャリアアグリゲーション」「4×4 MIMO」など、一言でいうと通信速度を加速化させる先端技術が搭載されており、一応公式サイトのキャッチコピーだと「超高速下り最大612Mbps!」と謳われています。
まぁこの記事で速度テストした通り、実際はそこまでの速度が出るわけではないのですが、一応1Mbpsでも早い速度を出すための工夫が施されていると思えば、速度重視なら603HWを選ぶといいかと思います。
公式HP