今までのキャリアでは、家族でスマホの通信量を共有する「家族シェア」というプランが展開されています。
例えばdocomoにおいて、両親と子供の3人で5GBの通信量を共有すると、一人あたり5000円程度の金額に抑えられるとされています。
しかし、それでもまだ5000円。3人での家族シェアならばおよそ15000円ですし、たった5GBでは、とくに子供が多く利用する場合はすぐに使い切ってしまいますよね。
ところが格安SIMならば、これよりも遙かに安く、さらに使える通信量も多いパケットシェアを行うことができます。
格安SIMといえば通信料の安さが魅力とされていますが、パケットのシェアを行えることも大きな魅力なのです。
この記事では、家族で乗り換えて通信容量をシェアできるファミリー向け格安SIMについて紹介したいと思います。
格安SIMに乗り換えて、通信料を安く抑えつつ、たくさんの通信容量をシェアして快適にスマホを利用しましょう。
複数SIMでデータ容量をシェアするってどういうこと?
データ容量のシェアとは、複数人が同じ1契約の通信量を「シェアSIM」を使うことで共有し、消費していくというものです。
同じ炊飯器で炊いたお米を分け合うようなイメージを想像してもらえれば、わかりやすいのではないでしょうか。
もちろん、格安SIMはシェアをせず、人数分SIMカードを契約することでも利用できます。そして、それでもキャリアで契約するよりは安価です。
しかし、シェアSIMを利用した家族でのシェアならば、もっと料金を安くすることができます。
4人家族でキャリアと格安SIMを比較してみる
ここでは、4人家族を例に挙げて、docomo(キャリア)とIIJmioタイプD(格安SIM)、それぞれの月額料金についてまとめた表を見ながら解説していきたいと思います。
料金を計算するうえでの条件は、次の通りです。
- 両親と子供2人(中学生、小学生)
- 10GBの通信量を分け合う
- 音声通話プランを利用する(docomoはカケホーダイプラン)
- 端末の分割支払代金については考慮しない
- 両方とも新規契約
docomo | 22000円 |
IIJmio | 5760円 |
まずは、docomoで「パケあえる」を利用した場合
- docomoではカケホーダイが強制なので、2700円×4台で10800円
- 10GBのパケットを分け合うので、「シェアパック10」の適用で9500円
- 1台目の回線にシェアオプションを3つ契約するので、500×3=1500円
- SPモード4人分で300×4=1200円
- U25応援割が2人分適用されるので、500×2=1000円割引
以上で、合計22000円となります。
IIJmioタイプDの「ファミリーシェアプラン」の内訳
- 基本料金3260円(3枚までSIMカードの基本料金は無料)
- シェアSIMの追加料金400円(4人目の分)
- 音声通話機能付帯料700×3=2100円
以上で、合計5760円となります。
IIJmioタイプDの場合、docomoのおよそ4分の1の金額、つまりdocomoにおける一人分の金額で、スマホが同じ通信量(10GB)分利用できてしまうんです。
ただし、IIJmioタイプDではキャリアメールを利用することができません。また通信速度についても、基本的にドコモの方が速いです。このように安いからこそのデメリットがいくつかあることは、覚えておきましょう。
続いてもう一つ。今度はIIJmioタイプD同士で、
- 「ファミリーシェアプラン+シェアSIM3枚」
- 6GB使用できる「ライトスタートプランを別々に4人分」
これらを契約した場合を較べてみましょう。
ファミリーシェアプラン(シェア) | 5760円 |
ライトスタートプラン | 8880円 |
ライトスタートプランは月額料金2220円ですので、4人分で8880円となります。
一人あたりの通信量ではライトスタートプランの方が勝っていますが、月額料金はファミリーシェアプランの圧勝ですね。
また、契約が1つにまとまるという点もファミリーシェアプランを選ぶメリットです。
通信量をシェアする場合の使い方
さて、通信量をシェアする場合、次のような使い方ができます。
- 子ども2人はそれぞれ3GB使用、両親はそれぞれ2GB使用で合計10GB
- 1人2.5GBずつ、4人で公平に使用する
- お父さんは2GB、お母さんは1GB、子どもはそれぞれ3.5GB
やはりパケット通信を利用する頻度が高いのは、子どもです。
自宅に固定回線が引かれていて、Wi-Fiを利用できるのであれば、通学中や学校の休み時間などにスマホを利用するのは子どもですよね。
自宅にWi-Fi環境がある場合は、お母さんもそれなりにスマホを使うとしても、自宅のWi-Fiに接続すればパケット通信を行わずに済みます。
こういった通信量のシェアの際に気になるのは、一人が使いすぎてしまい、他全員が巻き添えを食らってしまうのではないかということですよね。
しかし、その点については問題ありません。
昨今のAndroidスマホには、指定の通信量を超えると警告が表示されたり、最終的にデータ通信ができないように設定したりできる機能があるためです。
iPhoneの場合もいつでも自分の通信量を設定から確認できますので、これを週間付ければ全員しっかりと管理ができ、安心です。
また格安SIMにも大容量プランが登場したため、一人当たりの通信量を多めに設定できます。
家族シェアをさらに便利にする機能の紹介
格安SIMの家族シェアには、様々な便利機能があります。
家族間の通話割引
キャリアはカケホーダイであるため通話料が加算されることは基本的にありませんが、格安SIMでは通話料が30秒20円で加算されることとなります。
しかし、家族同士で通話をする料金を安くできる、家族間の通話割引を設定しているMVNOがあります。
それは、先にも紹介したIIJmioです。「みおふぉんダイヤル」という専用のアプリを利用すれば、家族間の通話は自動で最大60%割引になります。
詳細 IIJmio
パケットギフトとパケットシェア
- パケットギフトは、余ったパケット容量を他の人に分けるというサービス。
- パケットシェアは、自分の通信量の繰り越し分を家族などにシェアするというサービス
パケットギフトは「mineo」でのみ提供されています。
パケットシェアは「mineo」と「楽天モバイル」で展開中です。
mineoは家族シェアこそないものの、「家族割」という、複数回線を契約するとそれぞれ料金が50円引きになるサービスも用意しています。家族での利用にmineoはオススメですね。
詳細 mineo
家族シェアに最適な格安SIMプランベスト3!
1位:BIGLOBE SIM
ある程度多めの通信量を家族でシェアしたい
シェアSIMに乗り換える際に、今まで利用していた電話番号を使いたい
こういった要望をお持ちの方におすすめなのが、BIGLOBE SIMです。
BIGLOBE SIMには、次のような特徴があります。
- 20GBや30GBの大容量プランでシェアできる
- 6GB以上のプランで最大5人まで、1つの回線をシェアできる
- シェアSIMにMNPできる
BIGLOBE SIMで家族シェアができるのは、6GBから30GBまでのプランです。
かつては6GBプランでは2枚しかSIMカードを追加できないなど制限がありましたが今はなくなっています。6GB以上ならどのプランでも、最大4枚までSIMカードを追加可能です。
シェアSIMに他社からMNPをすることができるため、今までキャリアでスマホを利用していたという場合でも、番号をそのままに格安SIMを利用できて大変便利ですよ。
シェアSIMの音声プランは1枚につき900円の月額料金がかかります。
例えば30GBプランを5人で使うなら4枚のシェアSIMを追加することになり、
- 30GBプラン:月額7450円
- シェアSIM:月額900円×4=3600円
- 合計11050円
一人あたり6GBも使えるので、かなり余裕がありますね。
大容量プランまで幅広くあって料金も適度に安く、家族乗り換えにはおすすめのMVNOです。
2位:IIJmio
両親と子どもだけでなく、祖父母も合わせて1つの回線をシェアしたい
通話料金を安く抑えたい
このような方には、IIJmioがおすすめとなります。
IIJmioの特徴は、
- 家族間の通話は最大60%オフ
- 通話定額オプションを契約すると、家族通話がお得
- シェアSIMは2枚まで無料、3枚目から有料(4人目以降は追加料金がかかる)
- 最大10人まで、1つの回線をシェアできる
家族まとめて格安SIMに乗り換えたい場合、最も人数面での自由度が高いのはIIJmioになります。
なにしろ最大10人まで同じ回線(10GB)をシェアできますので、両親と子どもたちに加えて祖父・祖母も一緒に住んでいるというご家庭ではIIJmioを選ぶことをおすすめします。
ただし、容量は10GB以外に選べませんので、あまり大人数になりすぎるとそれだけ1人あたりの利用できる通信量が減り、使い勝手が悪くなってしまうことに注意しましょう。
「みおふぉんダイヤル」の利用で通話料金が抑えられるため、もしも離れて暮らしていたり、帰りが遅くなることが多かったりしても、すぐに連絡できるという点は、他社よりも優れていますね。
もちろん、IP電話などを利用すれば他社でも通話料は安くなりますが、みおふぉんダイヤルは通常の電話回線を利用しているのに対し、IP電話はネット回線ですので、品質面で劣ります。
遅延や音声の乱れがないみおふぉんダイヤルのほうが、IP電話よりも相手との通話が円滑にできるということです。
さらに通話定額オプションを契約すれば、誰とでもかけ放題になることに加えて家族通話だとそれより長く通話できます。
通話定額オプションの内容を表にまとめました。こちらをご覧ください。
誰とでも3分以内、家族と10分以内 | 誰とでも5分以内、家族と30分以内 |
月額600円 | 月額830円 |
このように、IIJmioの通話定額オプションは月額料金も安く、さらに家族通話がお得なんです。
家族間で通話をする機会が多いなら通話定額オプションの利用も検討してみてはどうでしょうか。
3位:DMM mobile
両親と子ども一人で家族シェアを行いたい
月額料金をできる限り安く抑えたい
通信量を大容量で契約したい
このような方には、DMM mobileがベストな選択肢となります。
DMM mobileには、以下のような特徴があります。
- 月額料金はどこよりも安く済ませられる
- 通信量は最大20GBまでを選択できる
- シェアコースは3枚までに限られる
- DMMポイントが月額料金の10%分貯まる
DMM mobileのシェアコース・10GBプラン(通話SIM3枚プラン)は、4290円という価格で提供されています。20GBだと6080円、8GBだと4080円です。
このように料金はダントツに安いのですが、SIMカードは3枚以上契約できないのが難点です。なのでもし家族に子どもが一人だけの場合は、DMM mobileが一番おすすめと言えます。
ポイントが貯まるのもDMM mobileを選ぶメリットですね。10%もポイントとして還元されることも含めるとかなりの安さです。
DMMのDVDレンタルや通販などにこのポイントを利用できますので、よくDVDやCD等を借りる方はお得ですよ。
ただし、ポイントは1ヶ月程度で有効期限が切れてしまいます。ポイントは早めに使わなければいけません。
まとめ
家族シェアを活用することによって、格安SIMはさらに安く利用できます。
4人家族の場合、キャリアでは1人あたり5000円程度の月額料金となる家族シェアですが、格安SIMの家族シェアならば、4人まとめても5000円台に収められるのは大きな魅力です。
家族シェアならば10GB以上の大きな通信量でも無駄なく消費できるため、家族みんなが満足して利用できます。
また大容量プランの登場により、家族でシェアする通信量に余裕が生まれたのも嬉しいですね。20GBや30GBを選んだとしても、キャリアで契約するよりかなり月額料金を抑えられます。
ドコモなどのキャリアから格安SIMの家族シェアに乗り換え、浮いたお金を毎月貯金して子どもの将来や老後に役立てたり、何かおいしいものを家族で食べに行ったりしてみてはいかができしょうか。